投稿日:2023-04-24/更新日:2023-04-24
「鍼灸院の経営を安定させたい」「どのような集客方法があるのか知りたい」など悩むことはありませんか。
競合が多い鍼灸院は、他の鍼灸院との差別化をしなければ続けていくことは難しいです。
そこで本記事では、専門知識がなくてもできる鍼灸院の集客方法を解説します。
低価格でできる集客や宣伝する際の注意すべき法律も触れるため、自分で集客を考えている方はぜひ参考にしてください。
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【監修者】
岩井 隆浩(麻布十番ループル治療院 創業者)
はり師/きゅう師/あん摩マッサージ指圧師/柔道整復師
齋木 拓 (麻布十番ループル治療院)
はり師/きゅう師/あん摩マッサージ指圧師/柔道整復師/日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー
鍼灸院で集客が必要な理由
なぜ鍼灸院で集客が必要なのでしょうか。今回は4つのポイントを具体的に解説します。
①競合が多いから
今ではコンビニより多いと言われている鍼灸院ですが、実際どのくらい増えているかご存じでしょうか。
年々増え続けている鍼灸院ですが、2018年から2020年の「はり及びきゅうを行う施術所」のみの推移が以下の表です。
表からもわかるように2018年には30,450ヶ所だった施術所が、2020年には32,103カ所と1,653カ所(5.4%)増加していることが分かりました。
参考資料:www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei/20/dl/kekka3.pdf
就業あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師及び施術所 – 衛生行政報告例:厚生労働省
この飽和状態になっている鍼灸院は、2018年には前年比で36.7%も倒産が増えているのが現状です。
そのため、競合が多い中で自分の鍼灸院を選んでもらうには対策を考える必要があります。
②鍼灸院の強みが分からず差別化できていないから
競合が多い中、患者さんはどこの鍼灸院を選ぶのでしょうか。
鍼灸院の強みが分かっていないと、何を強みとしているか患者さんにアピールできません。そのため、どんなに優れた技術があっても多くの鍼灸院の中で埋もれてしまいます。
そこで強みや差別化のポイントを、同じ地域の鍼灸院と比較するところから始めてみてください。
意識するおすすめのポイントは3つです。
・顧客が何を希望しているのか、何に悩んでいるのか
顧客ニーズはどこにあるか?地域における潜在的ニーズはなにか?年齢層や男女比、趣味趣向、価格帯、怪我や痛み、慢性及びメンテナンスケアなどポイントを見つけると良いでしょう。
・地域の同じ鍼灸院には提供できないもの
他の治療院の専門性をグルーピングしてみましょう。美容、スポーツ、東洋医学や伝統鍼灸などどんな院が周りにあるのか把握することで差別化のきっかけを掴むことができます。
・自分の鍼灸院だけが提供できること
得意な治療、施術方法、対象部位、対象のスポーツなど、組み合わせによって専門性を高めることも可能です。
アピールポイントが分かれば、他の鍼灸院と差別化できるため集客につながります。
③オンラインをうまく活用できていないから
10代から30代の若い患者さんの多くは、インターネットを利用して治療院の検索をすることが主流です。
そのため紙媒体のチラシや新聞より、オンラインで鍼灸院の情報の口コミを見て予約をする傾向にあります。
そのため治療院の集客でも、オンラインでの集客をうまく活用する必要があります。
④集客するお金がないから
集客する広告資金はどれくらいかかるかご存じでしょうか。
「集客するためのお金がない」という声はよく耳にしますが、各鍼灸院ごとに状況が違うため一概には分かりません。
しかし鍼灸院の場合を軸に、まずは正しい情報と見積もりから必要な費用を正確に知る必要があります。
たとえば、下記の内容などを自分の鍼灸院に当てはめて参考にしてください。
・治療院のホームページを作成するための費用
・チラシや地方情報誌など紙媒体を作成するための費用
・ポータルサイトへの掲載費用 など
「集客費用がない」という漠然な悩みから、正確な費用を把握することで今後の対策につながってくるでしょう。
具体的に「宣伝効果の高いチラシ作り」について知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
https://ripicle.com/osteopath/column/971/
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鍼灸院の集客で考えるべきポイント
次に、鍼灸院の集客で考えるべきポイントを3つ紹介します。
いろいろなインターネットの情報を見てなんとなく理解していても、なかなか実践できていない鍼灸院が多いのが現状です。
これを機に、まずは3つのポイントに絞って考えてみてください。
①集客したいターゲットを決める
鍼灸院の強みから、どのような患者さんに来店して欲しいのか「集客したいターゲット」を決めましょう。
たとえば強みが、「腰痛の治療が得意」と「営業時間が長い」鍼灸院だと仮定します。
その場合、腰痛に悩みがある会社帰りのサラリーマンなど、ターゲットが少しずつ絞られます。
一部の方は、ターゲットを決めてしまうと幅広い層に興味を持ってもらえないかもしれないと心配されるでしょう。
しかし、実際はターゲットになる患者さんに自分の鍼灸院を選んでもらうところから、最終的に集客を増やしていくことにつながります。
②競合との差別化ポイントを決める
「自分の鍼灸院の強みは何か?」「他の鍼灸院と比べて強くPRできるところはどこか?」が集客の大きなポイントです。
差別化するポイントを把握せずにチラシなどの広告を作成してしまうと、患者さん視点では他の鍼灸院と差別化できず鍼灸院のよさが伝わらない可能性があります。
他の鍼灸院と変わらない広告と強みを活かした広告では、強みを活かした広告の方が患者さんにとって魅力的な内容に映るでしょう。
そのため競合との差別化ポイントを決め、自分の強みを活かしたPRが大切です。
③地域を絞って宣伝する
最後のポイントは、地域を絞って宣伝することです。
地域名と得意な症状をネット検索してみてください。
もし検索結果で上位表示される鍼灸院がなければ狙い目です。
また、ネット検索以外でも地域にある鍼灸院が何に特化しているのか情報収集しましょう。
オンラインやオフラインの情報を元に、その地域に絞って自分の強みを宣伝していくことが大切です。
その地域で自分の鍼灸院にしかできないことが宣伝できれば、患者さんに興味を持ってもらい、「ここの鍼灸院に行けば、自分の悩みを解決してくれるかもしれない」という安心感につながります。
低価格で効果あり!鍼灸院で集客する方法
それでは、どのように鍼灸院で集客をすれば良いでしょうか。
低価格で効果ある方法を大きく分けて2つ解説していきますので、特徴を理解して効果的に利用してください。
①オンラインで集客する
1つ目はオンラインでの集客です。
特に10代から30代などオンラインのみで情報収集する層もあるため、うまく活用していきましょう。
オンラインの集客方法は以下の3つがあげられます。
・SEO対策
・ローカルSEO(MEO)の活用
・SNSの活用
SEO対策
SEOとは「検索エンジン最適化」のことを指します。
インターネットの検索エンジンで、特定のキーワードを検索した際に自分の鍼灸院が上位表示されるようにする対策です。
SEOは自分で対策すれば低コストで集客できる方法なので、あまり集客費用をかけたくない場合は特におすすめです。
SEO対策で、鍼灸院の強みを探している患者さんへアプローチすることができます。
ローカルSEO(MEO)の活用
ローカルSEOとは別名MEOとも呼ばれており、Map Engine Optimizationの略です。
「Googleマイビジネス」に登録し、Googleマップ上で患者さんが場所を検索する時に鍼灸院の情報を表示させることで集客につなげる方法です。
「地域名 鍼灸院」のようなキーワードで上位に検索されると、より多くの集客ができます。
Googleアカウントがあれば無料で「Googleマイビジネス」に登録できるため、正しい住所や営業時間、店休日などの記載を心がけましょう。
また、Googleマップには患者さんが口コミを掲載する機能もあり、鍼灸院を検討する際の参考になっています。
このように、ローカルSEOを活用することで鍼灸院のローカル検索順位を高め認知度の向上が可能です。
SNSの活用
若い世代を中心にSNSの活用が増えたことで、鍼灸院での集客もSNSの活用が有効です。
SNSを活用する最大のメリットは「拡散力」であり、より多くの患者さんへ自分の鍼灸院の情報や強みを伝えられます。
検索して自分の鍼灸院を探した患者さんとはアプローチも異なり、潜在的な患者さんにもアピールすることができます。
たとえば、次のようなSNSを活用することで集客の効率化が可能です。
・YouTube
・LINE
・TikTok
②オフラインで集客する
オフラインの集客も忘れずにおこなってください。
特にオフラインの場合は、新規開業時や治療メニューを追加した際にPRしたい地域住民へ早く広めたい場合に効果的です。
オフラインの集客方法は主に4つです。
・チラシの作成
・イベントの参加や主催
・看板やのぼりの設置
・既存患者からの紹介
それぞれ詳しく解説します。
チラシの作成
チラシを作成して地域の方へポスティングすることで、自宅から通いやすい鍼灸院として認知度が上がります。
チラシからの集客率は1〜2%と低くなく、最近地域に引っ越してきた方やインターネットに疎い世代にもアピールできるので重要な集客方法です。
ただしチラシ制作には製作費や印刷代・配布する人件費にコストがかかるため、事前にどれくらいの費用がかかるのか把握しておきましょう。
最近ではWeb印刷を利用することで印刷費用を抑えることができるため、以前より低価格でチラシを作成することができます。
イベントの参加や主催
オフラインでのイベントの参加や主催も効果的な集客方法の1つです。
たとえば、イベントでお試し価格で実際に施術を受けられるコーナーを設ければ、初めて鍼やお灸を試した方にも魅力が伝えられます。
そこからリピーターになったり口コミが広がったりする点が、イベント集客でのメリットです。
独自のイベントを主催し、より気軽に体験できる機会を増やすのもよいでしょう。
看板やのぼりの設置
看板やのぼりを設置することで、近くを通った新規顧客を獲得しやすくなります。
日常的に近くを通るということは、通院もしやすい地域住民や職場付近の可能性が高くなるため、通院の見込みがある新規顧客へのアプローチをすることができます。
実際に現在身体に悩みがあり、どこか治療院へ通いたい方がよく見かける看板やのぼりをきっかけに来店することは、いまだに一定の効果が期待できる集客方法の一つです。
既存の患者さんからの紹介
現在通院されている既存の患者さんからの紹介も大事な集客方法です。
実際に通院してその効果を経験したからこそ、知り合いに身体の悩みがある場合は自信を持って紹介できるでしょう。
また、集客をする上での「マーケティング戦略」を詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
https://ripicle.com/osteopath/column/1035/
鍼灸院の集客で注意すべき法律
ここまで鍼灸院の集客方法について紹介してきましたが、広告作成して集客する上で注意すべき法律があります。
どのような広告の制限があるのか、3つの法律を解説します。
①景品表示法
「景品表示法」とは、ウソや大げさな表示により、消費者トラブルを回避するための法律のことです。
どのような商品の広告にも該当しますが、鍼灸院で該当する制限は「優良誤認表示」と「有利誤認表示」があります。
優良誤認表示とは
優良誤認表示とは、実際の施術実績より優れているとを感じさせる広告表現の規制を指します。
たとえば、「○○の治療患者数No.1」や「○○で日本一」など合理的な根拠がない効果・成果の表示のことです。
患者さんに「これほどすごい実績があるなら間違いない技術だ!」と根拠のない過剰な表現をしてトラブルにならないよう注意しましょう。
有利誤認表示とは
有利誤認表示とは、実際の価格を一時的に安く見せかけて集客をする表示のことです。
たとえば、実際には最初から1回の施術を5,000円で提供しているが、「今だけ半額で5,000円!」「今だけキャンペーンで5,000円!」などを記載していると有利誤認表示が違反になります。
「今だけ半額で5,000円!」と事実に相違して他鍼灸院より有利と患者さんに誤認される表示には気をつけましょう。
②医師法・医療法
法律で「医師免許を取得している者以外が医療行為をおこなうことはできない」と定められています。
そのため、鍼灸院のホームページに医師や医療行為を連想させる記載をすると、医師法・医療法に反していると指導を受ける可能性があります。
鍼やお灸を扱うために資格取得しているとしても、あくまで医業類似行為であり、決して医師ができる医行為ではありません。
そのため、ホームページや広告の記載内容には医療行為を連想させる文言に注意しましょう。
③あはき法
あはき法とは、「あん摩マッサージ指圧師」「はり師」「きゅう師」などに関する法律の頭文字を取ってあはき法と呼ばれています。
「医師以外の者で、あん摩、マツサージ若しくは指圧、はり又はきゆうを業としようとする者は、それぞれ、あん摩マツサージ指圧師免許、はり師免許又はきゆう師免許を受けなければならない。」と法律で定められています。
引用:あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律「第一条」
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322AC0000000217_20220617_504AC0000000068
そのため、該当の免許を保持していない場合、施術することはできません。
「正しい広告の載せ方や規制」についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
https://ripicle.com/osteopath/column/123/
新規集客をして鍼灸院の経営を安定させよう
本記事では、低価格でできる鍼灸院の集客方法の紹介や宣伝する際の注意すべき法律について解説しました。
集客方法や注意すべき法律を理解すると、費用をかけずに自分で集客ができるようになります。
自分の鍼灸院に合った集客方法を学び、安定した経営を目指しましょう。
監修者プロフィール
- 大学卒業後、東京医療専門学校に進学。鍼灸マッサージ師、柔道整復師の国家資格を取得。整骨院や整形外科などの医療機関にて臨床現場を経験し、その後カナダ・トロントへ留学。現地治療院にて臨床を経験し、帰国後、麻布十番に治療院を開業。
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