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鍼灸整骨院

2023年7月3日

治療院(整骨院、整体院、鍼灸院)の売上アップに役立つ回数券とは?導入方法と注意点

投稿日:2023-07-03/更新日:2023-07-10

顧客にも自院にもメリットがある回数券を導入する治療院(整骨院、整体院、鍼灸院)が増えています。

しかし、回数券はどのように作成、導入するのか、具体的な方法などに疑問を感じている方もいるでしょう。

本記事では治療院(整骨院、整体院、鍼灸院)が回数券を導入するメリットや、具体的な導入ステップ、注意点をわかりやすく解説します。

回数券の導入は自院の売上アップに大きく貢献してくれるので、ぜひステップを踏んで導入してみてください。

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【監修者】
岩井 隆浩(麻布十番ループル治療院 創業者)
はり師/きゅう師/あん摩マッサージ指圧師/柔道整復師
齋木 拓 (麻布十番ループル治療院)
はり師/きゅう師/あん摩マッサージ指圧師/柔道整復師/日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー

治療院(整骨院、整体院、鍼灸院)の回数券とは?

治療院経営での悩み

回数券とは、特定の施術が複数回受けられる利用券のことで、施術を受けるたびに1回分の利用券(デジタルチケットなど)を消費します。

回数券は通常料金で複数回施術を受けるよりも、1回あたりの価格がお得になるように設定されているのが一般的です。

たとえば、施術5回分の回数券を購入すれば、1回分無料で受けられるなどの特典を設ける治療院(整骨院、整体院、鍼灸院)も多いです。


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治療院(整骨院、整体院、鍼灸院)が回数券を導入するメリット

治療院向けサブスクのメリット

治療院(整骨院、整体院、鍼灸院)にとって回数券の販売は、1回あたりのサービス料を安くすることになるため、デメリットが多いと感じる方もいるでしょう。

しかし、回数券を導入するメリットはたくさんあります。

リピーターを確保できる

回数券を購入した利用者は、回数券の枚数分、施術を受けに訪れるため、確実にリピーターになってくれます。

つまり、回数券を購入する利用者が増えれば、集客をしなくてもリピーターを増やせるということです。

また、定期的に来院してもらえば、利用者の体の状態が把握しやすいので、スムーズな治療や施術が実現するでしょう。

複数回に渡って足を運んでもらうことで自然とコミュニケーションも増えるため、回数券を消費した後も継続的な利用が期待できます。

またそうすることで、必然と信頼関係も構築できるので新規の方を紹介してもらえるチャンスも増えるでしょう。

元々期待値の高い新規の方は紹介者と同様に回数券購入で来院される方も多いのでよりリピーターを獲得することに繋がります。

先行的に売上が得られる

回数券で複数回分の施術料を支払ってもらえば、先行的に売り上げが得られます。

まとまった先行資金があると、客足が減少しても経営が困窮するリスクを回避できるでしょう。

とくに開院したばかりの治療院(整骨院、整体院、鍼灸院)は、集客が軌道に乗るまでに時間がかかるケースも少なくありません。

開院から積極的に回数券を販売することで、継続的に自院を経営するための先行資金を確保しやすいでしょう。

現金のやり取りや決済の手間を減らせる

回数券における現金のやり取りや、クレジットカードの決済は購入時のみなので、2回目以降の回数券の施術は現金や決済のやり取りを行う必要がありません。

そのため、回数券の購入者が増えるほど、自院に置いておく現金の金額を減らすことができます。

自院に置いておく現金の金額を最小限に抑えることで、盗難をはじめとするトラブルが起こったときのリスクを減らせるでしょう。

また、回数券を購入してもらえば、何度も現金のやり取りをする必要がないので、業務効率化にも役立ちます。

営業にかける労力が減らせる

回数券の購入者は複数回の来院がほぼ確定しているため、継続的な来院を促す営業や再来院の連絡をする手間などが省けます。

来院のたびに営業するのはスタッフにとって手間がかかる上、利用者にとっても気分がいいものではないかもしれません。

営業の頻度を減らすことで、利用者が安心して施術を受けられるのも回数券のメリットと言えるでしょう。

また、アフターサポートすべき利用者とアフターサポートをしなくてもいい利用者が明確になると、顧客ごとに適切なアプローチが可能となります。

利用者側が回数券を購入するメリット

利用者側が回数券を購入する大きなメリットは、1回あたりの施術料が安くなるため、継続的に通いやすいことです。

治療院(整骨院、整体院、鍼灸院)の治療や施術は1回で効果を実感できないケースも少なくありません。

継続して通院することで、体の状態をメンテナンスしてもらいやすいのも回数券の特徴です。

より適切な施術を受けるために、症状に対する治療プランを施術者側が立てやすくなるので、結果的に利用者側にもメリットがあるでしょう。

また、最初に回数券を購入すれば、施術を受けるたびにお金を払う必要がありません。

わざわざお金を用意する手間が省けるのはもちろん、定期的な出費がなくなるので、気兼ねなく通院できるでしょう。

回数券を導入するときに気をつけたい注意点

回数券を導入しただけで自院の経営が安定するかと言えば、決してそうではありません。

治療院(整骨院、整体院、鍼灸院)が回数券を導入するときは、次の3ポイントに注意してください。

相場を調査して料金を決める

回数券の料金は相場や通常価格を加味した上で、慎重に決定する必要があります。

もちろんお得な回数券であるほど、購入者数は増えるでしょう。

しかし、施術1回あたりの単価を下げすぎたり、サービスを増やしすぎたりすると、売上よりも運営費が上回り、赤字になる可能性もゼロではありません。

そのため、回数券は自院と利用者の両方にメリットがある料金設定にしましょう。

集客のために大幅にお得感のある回数券を販売したい場合は、運営費との兼ね合いを計算して販売数の上限を設けると赤字を回避できます。

有効期限を決める

回数券を導入するときは目的や利用者のニーズに応じて、有効期限を決定しましょう。

有効期限の有無によってメリットとデメリットがあるので、検討材料の一つにしてみてください。

  • 有効期限あり:一定の期間で来院してもらうことができるため、顧客管理がしやすいが、有効期限が短いと購入者数が伸びない場合がある
  • 有効期限なし:一定の期間で来院できない利用者にも購入してもらいやすいが、来院のペースが掴みにくい

有効期限を設けると、回数券の消費ペースを早められるため、回数券の購入者数が多いほど売上アップにつながります。

しかしその反面、有効期限が短いと忙しく定期的に通院するのが難しい方の回数券購入は見込めません。

また、回数券の有効期限が切れてしまい、損をする利用者が出てくれば、顧客満足度の低下にもつながりかねません。

ただし、有効期限を設けないと顧客管理が難しくなるため、有効期限の有無は慎重に検討する必要があります。

運用時の回数消化と管理方法に要注意

利用者と施術者の双方にメリットのある回数券ですが、運用時の管理方法もあらかじめ整えておく必要があります。

例えば、施術や業務が忙しいと、回数券の消化処理を忘れてしまうことがあります。

単回の決済のみであれば、毎回の決済があるので金額をもらい忘れることが少ないですが、回数券の場合はすでに受け取っているため、楽にはなりますが毎回しっかりと消化処理をしないとかえって損をします。

また、利用者側にもしっかりと使用した回数と残りの回数をお伝えするなど確認しないと、双方に認識の違いなどが出た場合にトラブルとなります。

トラブルを確実にそして未然に防ぐ場合には、利用者からサインをもらうなど工夫するのも良いでしょう。

毎回の処理は必須となるので、注意が必要です。

会計事務の処理に要注意

治療院の売り上げは法人であれば決算、個人であれば確定申告をしますが、回数券購入時のタイミングで全額計上するのか、回数券の使用時に計上するのか、処理の方法によって数字が大きく異なる場合があります。

それぞれに会計処理時の注意点があるので、担当の会計担当者に確認しましょう。

クレジットカードの利用規約に要注意

回数券の購入時に、代金が単回の施術料金よりも高額になる場合が多いので、支払いにクレジットカードを用いるケースが多いです。

しかしながら、クレジットカードを使用する場合に各社の利用規約内に、回数券購入や運用に伴う規約も付加されているケースがあることをご存知でしょうか?

一回あたりの決済金額上限や、回数券の有効期限にも規定がある場合が多いです。

これに違反している場合、決済した金額が受け取れなかったり、決済そのものがキャンセルされてしまったりとトラブルも少なくありません。

またサービス提供会社が倒産していなくなってしまったケースも過去には存在するようです。

上記の内容も考慮したうえで、適切な回数券の金額と有効期限を設定しましょう。

2回目以降も来てもらう工夫をする

回数券を購入したことに満足して、なかなか来院しない方もいるため、2回目以降も一定の期間で来院してもらう工夫が必要です。

回数券を購入してもらえば、2回目以降の来院に関わらず自院の売上になるのは事実です。

しかし、回数券販売後も丁寧できめ細かいサービスを心がけると、顧客満足度が高まり、回数券消費後の継続した来院や、口コミ評価の向上につながる可能性があります。

常に質の高い施術とサービスを提供することが肝であることを忘れないようにしましょう。

治療院(整骨院、整体院、鍼灸院)で回数券を導入するステップ

回数券はステップを踏んで進めることで、スムーズに導入できます。

次の4つのステップを順に進めて、効果的な回数券を導入してみてください。

施術など回数券の内容を決定する

まずはじめに、どの施術の回数券を作成するのかを決定しましょう。

回数券を導入しても購入者が増えなければ意味がありません。

そのため、回数券の内容や料金は利用者の視点に立ち、「お得感があるか」「購入したくなるか」「購入するメリットがあるか」を確認してください。

たとえば、人気の施術や単価が高い施術の回数券は、お得感を訴求しやすいでしょう。

また、複数の施術を組み合わせたり、通常の施術にプラスアルファのサービスを追加した回数券は、サービスの良さを実感してもらえば、客単価アップにつながります。

使用方法を決める

回数券の内容や料金が決まったら、回数券の使用方法を決定しましょう。

おもな使用方法は次の2つに分かれます。

  • 紙の回数券:1回の施術ごとにチケットを消費したり、カードにスタンプを押して消費回数を管理したりする
  • デジタル回数券:顧客管理アプリや予約アプリ、QRコードなどを使って消費回数を管理する

 

紙の回数券はシステムを導入しなくても、自院で簡単に発行できるのがメリットです。

デジタル回数券はシステム導入にやや手間はかかるものの、顧客管理や売上管理がしやすく、データを集客に活かせるというメリットがあります。

デザインを決める

紙の回数券かデジタル回数券かを決定したら、デザインを決めます。

紙の回数券はデザイン性よりも使いやすさを考慮して作成するのがおすすめです。

というのも、回数券は利用者が持ち歩く必要があるので、財布などにおさまらないサイズの回数券は使いにくいという印象を持たれかねません。

キャッシュレスの需要も高まり、カードケースやスマホのみを持ち歩く人も増えているので、ポイントカード形式の回数券なら、利用者も使いやすいでしょう。

デジタル回数券はデザインがほとんど必要ないため、デザインや印刷にかかる手間やコストを減らしたいならデジタル回数券がおすすめです。

PR方法を決定して実施する

回数券の準備が完了したら、回数券の購入を促すPR方法を検討しましょう。

魅力的な回数券を作成しても認知されなければ、購入につながりません。

自院の利用者層やターゲット層に合わせて、最適なPR方法を検討してみてください。

たとえば年齢層が高い場合、ポスターやチラシ、口頭で回数券をPRするのがおすすめです。

若年層をターゲットとする場合は、SNSを活用してPRし、デジタル回数券購入までの導線をうまく作るのがおすすめです。

回数券は購入後に返金(払い戻し)可能?

有効期限が決まっている回数券が一定期間内に消費できなかった場合、払い戻しが適用されるケースとされないケースがあります。

利用者とのトラブルを避けるためにも、返金(払い戻し)の条件や適用されるケースを把握しておきましょう。

回数券の払い戻しは原則対応できない

訪問販売などとは違い、利用者が自ら店舗に足を運んで回数券を購入した場合、「特定商取引法」に関する法律の対象にはならないため、クーリング・オフ制度は適用されません。

そのため、「購入した回数券を一度も使っていないから払い戻しをしてほしい」と依頼された場合も、原則対応する必要はありません。

参考:横浜市消費生活総合センター

しかし、返金対応してはいけないと決まっているわけではないため、場合によっては返金に応じた方が利用者からの不満が少ないケースもあります。

たとえば「1回目の施術を受けた後に痛みが出たため、残りの回数券分の料金を返金してほしい」という返金に応じなかった場合、利用者が不満を感じれば自院を利用しなくなったり、口コミ評価が悪くなったりする可能性もゼロではありません。

ただし、すべての返金に応じていては自院の運営に関わるため、回数券の利用規約を細かく決めて、ケースに応じて対応を検討するのがおすすめです。

回数券の返金が適応される条件

回数券は原則返金に応じる必要はないと先述しましたが、保険適用の施術の場合、返金対象になります。

たとえば、保険証を忘れて一時的に10割負担で保険適用の施術を受けた場合、後日、保険証を持参すれば差額分を返金してもらうことができます。

整骨院で回数券を導入するのは違法?

レセプトが返戻されてしまうケース

保険適用施術と保険適用外の施術を行っている整骨院で回数券を導入するのは違法ではありません。

しかし、先述したとおり、利用者が自ら出向いて購入した回数券にはクーリング・オフが適用されないほか、整骨院側が契約書面を交付する義務もないため、回数券分の返金を求める利用者からすれば「違法なのでは?」と感じるケースも少なくありません。

参考:東京くらしWEB

しかし、回数券の購入を促すために、根拠のない情報を広告に掲載することは景品表示法違反です。

「口コミNo.1」「1回の施術で−5kg」などといった根拠のない誇大広告を打ち出している場合、返金対応を求められるケースもあるので注意しましょう。

まとめ

治療院サブスクで安定した収入を確保しよう

治療院(整骨院、整体院、鍼灸院)の回数券導入は、リピーターの獲得や満足度の向上など、さまざまなメリットがあります。

ただし、料金設定や有効期限の設定については赤字の原因になったり、利用者との間でトラブルに発展したりする可能性があるので、慎重に検討してみてください。

従来どおり、紙の回数券を発行している治療院も多いですが、デジタル回数券を導入する治療院も増えています。

デジタル回数券は電子カルテやレセコン、予約システムなどと連携して管理することで、業務効率化や生産性アップにつながります。

治療院のシステムのデジタル化を検討しているなら、鍼灸・整骨・整体院専門の電子カルテシステム「リピクル」がおすすめです。

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監修者プロフィール

岩井 隆浩
大学卒業後、東京医療専門学校に進学。鍼灸マッサージ師、柔道整復師の国家資格を取得。整骨院や整形外科などの医療機関にて臨床現場を経験し、その後カナダ・トロントへ留学。現地治療院にて臨床を経験し、帰国後、麻布十番に治療院を開業。