整体院の開業を成功に導く鍵は、何と言っても「集客」に尽きます。どれほど優れた技術を持っていても、集客ができなければ、経営が立ち行かなくなるのが現実です。
実際、多くの先生方が「集客のやり方がよく分からない」「技術があれば自然とお客様が来るのでは?」といった集客に対する不安を抱え、結果として優れた整体技術を十分に発揮する前に廃業に追い込まれることが少なくありません。
そこで本記事では、集客に自信がない先生方に向けて、今すぐ実践できる具体的な集客方法を分かりやすく解説いたします。
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整体院の集客で押さえるべきポイント
整体院の集客は、以下3つの顧客に分けることができます。
- 新規顧客
- リピーター
- 休眠顧客
この3つの顧客を混同せずに、それぞれ異なるアプローチ方法によって集客を行うことが大きなポイントになります。
新規顧客の集客
新規顧客とは、その名の通り、整体院に初めて訪れるお客様を指します。この新規顧客は、「潜在顧客」と「見込み顧客」の2つのカテゴリーに分けられます。潜在顧客とは、整体院の存在を知らない、もしくは知っていてもまだ利用の必要性を感じていない層を指します。
一方、見込み顧客は、すでに整体院の存在を認識しており、実際に利用する可能性がある顧客のことです。
潜在顧客へのアプローチは、まず整体院の存在を認知してもらうことが重要です。
これには、ホームページやチラシといった媒体を活用し、潜在顧客に対して院の存在を周知させることが効果的です。あらかじめ整体院の情報を伝えておくことで、潜在顧客が見込み顧客に移行した際、自院を選んでもらえる可能性が高まります。
見込み顧客に対しては、整体院の独自性を明確に打ち出すアプローチが求められます。ホームページやSNSを活用し、他の整体院との差別化を図ることで、数ある選択肢の中から自院を選んでもらうことが狙いです。
新規開業の整体院においては、即効性を求める場合、見込み顧客へのアプローチが効果的です。
しかし、長期的な経営を視野に入れると、潜在顧客を見込み顧客へと転換させる取り組みも不可欠です。経営が安定し始めた段階で、潜在顧客へのアプローチにも注力することが、長期的な集客の成功に繋がります。
リピーターの集客
リピーターとは、新規顧客が再度来院してくれるお客様のことを指します。リピーターを増やすためには、顧客満足度の向上が不可欠です。
そのためには、以下の要素に注力することが重要です。
- 施術効果
お客様が期待する効果を実感できる施術を提供することが、最も基本的かつ重要な要素です。
- 丁寧なカウンセリング
施術前のカウンセリングでお客様の悩みや希望をしっかりと聞き取り、個別に合った施術を提案することで信頼感を築きます。
- 料金設定
価格が適正で、施術内容に対して納得感のある料金であることが、リピーター獲得のポイントとなります。
- 院内やスタッフの清潔感
清潔で整った院内環境や、きちんとした身だしなみを整えたスタッフの対応が、快適な空間を提供し、お客様に好印象を与えます。
- アフターフォロー
施術後のケアやアドバイスを丁寧に行うことで、お客様に「自分の健康を本当に考えてくれている」と感じてもらえます。
これらの要素をしっかりと押さえ、施術効果だけでなく、細やかな気遣いとサービスを提供することで、顧客に「次もぜひ来院したい」と思っていただける整体院経営を目指すことが大切です。
休眠顧客の集客
休眠顧客とは、一定期間再来院が途絶えている顧客のことを指します。これは整体院に限らず、美容室など多くの店舗でも見られる現象です。休眠状態に陥る理由の多くは「特に理由もなく、なんとなく足が遠のいた」というもので、お店に対する不満や不快感が原因ではないことが大半です。
つまり、こちらから適切なアプローチを行えば、再び来院してもらう可能性は十分にあるのです。
主なアプローチ方法としては、以下のような手段があります。
– はがきでの案内
– メールでの連絡
– LINEなどのメッセージ配信
近年では、LINEをはじめとするSNSツールを活用して、定期的に情報を発信することが、休眠顧客への効果的なアプローチ方法として主流になっています。
特に、初回の来院時にLINEなどのSNSに登録を促しておくと、その後のコミュニケーションが容易になります。そのため、登録を促す際には特典や割引を提供するなど、顧客にとってメリットを感じてもらえる工夫をすることが有効です。
整体院で集客に失敗する理由
整体院の集客に失敗する方には、必ず何らかの原因があります。以下に、特に多く見られる集客の失敗理由を挙げましたので、ぜひ参考にしてみてください。
ターゲットを絞り込めていない
整骨院の集客がうまくいかない理由の一つは、ターゲットを明確に絞り込めていないことにあります。例えば、幅広い年齢層や様々な症状を抱える人に来てもらいたいと考えること自体は間違いではありません。しかし、広告やチラシに「どんな症状でもお任せください!」といった曖昧なメッセージを載せたとしても、特定の人の心に響くことは難しいでしょう。
一方、ターゲットを腰痛や女性に絞ることで、「腰痛に特化した〇〇整骨院」「女性整体師による女性専用整体院」といった、特定の層に訴求力のあるメッセージを発信することが可能になります。
このように、明確にターゲットを設定することで、より多くの見込み顧客の心を引きつけ、効果的な集客が期待できるのです。
ブランディング・ポジショニングができていない
ターゲットを絞り込むことは集客において重要な要素ですが、それだけでは十分ではありません。ブランディングやポジショニングがしっかりと確立されていなければ、効果的な集客には繋がりません。
例えば、腰痛に悩む顧客をターゲットに設定したとしても、自院が腰痛専門の施術を提供していることが見込み顧客に伝わらなければ、その努力は無駄になります。
また、仮に腰痛専門の整体院を開業したとしても、近隣に同様のコンセプトを持つ整体院が存在している場合、差別化ができなければ集客が難しくなる可能性があります。
集客を成功させるためには、ターゲットを明確にした上で、自院の強みや独自性を顧客に伝え、他院との差別化を図ることが不可欠です。
集客の優先順位が決まっていない
優先順位が明確でないと、効果的な集客は難しくなります。例えば、一度来院したことのある顧客と、まだ整体院の存在すら知らない潜在顧客を比較した場合、早期の再来院が期待できるのは「一度来院された顧客」であることは明らかです。
しかし、優先順位が定まっていないと、一度来院した顧客へのフォローを怠り、潜在顧客の集客にばかり注力してしまうことがあります。その結果、期待した集客効果が得られない可能性が高まります。
もちろん、潜在顧客へのアプローチも大切ですが、現状の状況や売上目標をしっかりと把握した上で、どの顧客層に優先してアプローチするべきかを的確に判断することが、集客成功のカギとなります。
ツールを活用できていない
ツールを効果的に活用できないと、集客のチャンスを逃してしまうリスクがあります。
例えば、SNSを活用して整体院の雰囲気やスタッフの写真などを投稿することで、見込み顧客に安心感を与え、来院のきっかけを作ることができます。
さらに、予約ツールを導入することで、電話予約が苦手な顧客や、深夜など営業時間外に予約を希望する顧客を取り逃がすことなく、スムーズに集客を促進できるでしょう。これらのツールを上手に駆使することで、より幅広い層にアプローチし、効果的な集客が期待できます。
サービス内容に問題がある
リピーターの集客が伸び悩む場合、多くはサービス内容に何らかの問題があることが考えられます。特に、「施術後に効果を実感できない」「接客態度が悪かった」など、施術者に起因する問題は、早急に改善が求められます。
整体院を開業する際、多くの先生方は自らの施術技術に自信を持ってスタートされることでしょう。
しかし、安定した経営を維持するためには、自分の技術を客観的に見つめ直し、不足がある場合にはさらなる技術向上に努める姿勢が不可欠です。
整体院で活用できるオンライン集客4選
整体院の集客方法には、オンラインとオフラインの二つのアプローチがあります。
まずは、オンライン集客の手法についてご紹介いたします。もしまだ活用されていない方法があれば、この機会にぜひご検討ください。
ホームページのSEO対策
ホームページを作成するだけでは不十分で、検索結果で上位に表示されるためには、SEO対策が不可欠です。特に整体院は地域密着型のビジネスであるため、「地域名+症状名」といったキーワードでの上位表示が、集客の大きな鍵となります。
SEO対策は一朝一夕で成果が現れるものではなく、定期的に専門的なブログ記事を更新するなど、日々の積み重ねが重要です。
Googleマイプロフィールを使ったMEO対策
以前は「Googleマイビジネス」と呼ばれていたサービスですが、現在はGoogleマップ上に整体院の詳細情報を掲載できる機能を活用して、MEO対策を行いましょう。
MEO対策とは、Googleマップ検索で自院を上位に表示させるための施策です。例えば、「新宿区 整体院」というキーワードでGoogleマップ検索を行い、その結果ページで自院が上位に表示されると、大きな集客効果が期待できます。このような上位表示を実現するための対策がMEO対策です。
MEO対策もSEO対策と同様に、一朝一夕で結果が出るものではありませんが、Googleプロフィールの情報を充実させたり、口コミの数を増やすことで、上位表示される可能性が高まります。
整体院のMEO対策について詳しくはこちら
SNS(Instagram・facebook・Twitter)の運用
SNS(Instagram、Facebook、Twitter)の活用は、集客において非常に重要です。特に若年層から中年層は、ホームページよりもSNSツールで情報を集める傾向が強いため、院内の写真や施術の様子を投稿することで、これらの層へのアプローチが効果的です。
しかしながら、複数のSNSを導入し過ぎると、更新や運用が中途半端になるリスクがあります。例えば、1年近く更新がないアカウントやフォロワーが少ないアカウントは、集客に逆効果を招くこともあるため、運用には十分な注意が必要です。
整体院のInstagram活用について詳しくはこちら
LINEの活用
SNSツールの一つとして、LINEが挙げられます。月間利用者数が9,500万人に達し、老若男女問わず広く活用されているこのツールを集客に活用しない手はありません。
しかし、LINEは拡散力に欠けるため、見込み顧客や潜在顧客の獲得には向いていないのが現状です。
そのため、LINEを効果的に活用する方法としては、予約ツールや個別メッセージ機能を使ってリピーターを増やすことが挙げられます。また、InstagramやFacebook、Twitterなどの拡散力の高いSNSツールからLINEへの誘導を行うことで、より効果的な集客が期待できます。
整体院で活用できるオフライン集客4選
整体院でオフラインの集客方法は以下の通りです。
店頭ボードの設置
店頭ボードの設置は、手軽で効果的な集客方法の一つです。整体院の前にブラックボードなどを用いて、メッセージや院内の写真を掲示することで、通行人の視線を引き付け、見込み顧客や潜在顧客に対してアプローチすることができます。看板とは異なり、定期的に内容を更新できるため、常に新鮮な情報を提供することが可能です。
顧客からの紹介
顧客からの紹介は、集客の重要な要素です。実際に施術を受けた方のリアルな口コミは、見込み顧客にとって大きな来院の動機となります。既存顧客に「〇〇整体院は良かったよ」と広めてもらうために、整体院としても紹介促進策を講じることが効果的です。具体的な方法としては、紹介者に割引や特典を提供する「紹介割引」などがあります。ただ「お知り合いを紹介してください」と促すよりも、紹介者に直接的なメリットを提供することで、紹介による集客効果が高まります。
チラシの配布
潜在顧客や休眠顧客に対するアプローチとして、チラシの配布が有効です。
以前は、チラシ作成と配布の両方に高額な費用がかかっていましたが、近年では無料で利用できるチラシ作成ツール(例:Canva)が多く存在するため、自分でチラシを作成することが可能です。配布方法としては、業者に依頼するのも良いですが、近隣エリアの場合は自分でポスティングすることでコストを抑えることもできます。
地域イベントへの参加
地域イベントへの積極的な参加は、整体院の認知度を高め、集客につながる手段です。
例えば、地域の運動会やマラソン大会などのスポーツイベントに救護班として参加したり、清掃活動などにボランティアとして協力することが効果的です。これらの活動はボランティアとして行うため費用が発生しませんが、継続的に参加することで、地域内での認知度が向上し、集客につながる可能性が高まります。
整体院で集客する際の注意点
整体院で集客をする際には注意点があります。以下では、特に意識して欲しい注意点をふたつご紹介します。
基本は口コミや紹介で顧客を増やしていく
豊富なオンラインおよびオフラインの集客方法が存在しますが、最も基本的で効果的な方法は口コミや紹介によって顧客を増やしていくことです。
たとえば、SNSツールを活用した集客は、SNSの利用動向の変化によりその効果が低下する可能性があります。整体院を長期的に安定して運営するためには、時代の流れに左右されにくい、口コミや紹介といった伝統的な方法が最も信頼性の高い集客手段です。
整体院の広告のNG表現とは
整体院の広告を出稿する際には、避けるべきいくつかのNG表現があります。代表的なものとして、施術効果を過大に謳うことが挙げられます。
特に「景品表示法」に抵触する恐れがあるため、施術の効果を誇張して表現することは避けるべきです。例えば、ホームページにビフォーアフターの写真を掲載する際も、過大な広告と見なされる可能性があるため、注意が必要です。また、整体院で行う施術は代替医療に分類されるため、「治療」「診療」「触診」「視診」といった医療的な表現は使用できません。
まとめ
整体院の集客についてお伝えしていきました。集客には新規顧客、リピーター、休眠顧客のそれぞれに異なるアプローチが求められます。集客が思うように進まない理由として、これらの顧客層に対する適切なアプローチが不足している可能性が考えられます。
さらに、施術そのものに対する満足度が低ければ、どれだけ集客策を講じても成果が上がりにくいため、常に施術技術の向上に努めることが重要です。
集客には多様なオンライン・オフラインの手法があり、できる限り多くのツールを活用することが求められます。ただし、それぞれの手法が中途半端にならないよう、注意が必要です。最も効果的な集客方法は、口コミや紹介です。これらを軸にしながら、その他の集客手法を組み合わせて、着実に売り上げを伸ばしていきましょう。
監修者プロフィール
- 大学卒業後、東京医療専門学校に進学。鍼灸マッサージ師、柔道整復師の国家資格を取得。整骨院や整形外科などの医療機関にて臨床現場を経験し、その後カナダ・トロントへ留学。現地治療院にて臨床を経験し、帰国後、麻布十番に治療院を開業。
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