【監修者】
岩井 隆浩(麻布十番ループル治療院 創業者)
はり師/きゅう師/あん摩マッサージ指圧師/柔道整復師
齋木 拓 (麻布十番ループル治療院)
はり師/きゅう師/あん摩マッサージ指圧師/柔道整復師/日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー
集客に困っていませんか?効果を出すために必要なポイントを整理しました。
整体院を長期的に安定して経営していくために欠かせないのが集客をはじめとするマーケティング活動です。どんなに技術や資格を持っていても、集客がうまくいかないと売上につながりません。
そこで本記事では、「集客をはじめとするマーケティングの方法がわからない」「マーケティングがうまくいかない」とお悩みの方に、整体院で効果的な集客方法を解説します。
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目次
整体院におけるマーケティングとは?
整体院におけるマーケティングとは、おもに集客のことを指す場合が多いです。
しかし、集客を効率的に行うためには、マーケティングの役割や集客との違いについて理解しておくことが大切です。少ないコストやリソースを使って、集客率アップを目指していきましょう。
そもそもマーケティングとは?
集客と混同されやすいマーケティングですが、具体的にマーケティングは「売れるための仕組みづくり」を指します。マーケティングのおもなプロセスは次のとおりです。
- 市場調査
- 商品の企画・開発
- 既存商品の改良
- 戦略立案
- 広告宣伝や販売促進活動
- 営業
集客はマーケティングのプロセスの「広告宣伝や販売促進活動」「営業」などに該当するため、集客もマーケティングプロセスの一部であるといえます。マーケティングのゴールは、言い換えれば何もしなくても顧客が商品やサービスを購入する仕組みを作ることです。
そのためには、見込み客が商品を購入して満足するまでの「購買サイクル」を把握し、相手のフェーズに沿ったアプローチをする必要があります。「購買サイクル」は次のとおりです。
- 認知:商品やサービスを知っている状態
- 興味:商品やサービスに興味を持つ
- 検討:購入しようか検討する
- 購入:商品やサービスを購入する
- 継続:リピーターになる
- 応援:口コミやSNSなどでいい評価を発信する
このように、見込み客が購買してファンとなるまでのサイクルを知っておかないと、見当違いアプローチをしてしまいがちです。反対に、見込み客を購買からファン化までできる仕組みを作成してしまえば、長期的に安定した経営を実現させるのも夢ではありません。
マーケティングと集客の違いは?
集客は既存の商品やサービスを購入する人や、店舗に来店する人を増やすための活動です。マーケティングは将来的に販売する商品やサービスを効率的に販売するまでの仕組みを指すため、集客もマーケティングの一部に含まれます。
ただし、これは広義の意味でのマーケティングを指しており、狭義の意味では販促活動をマーケティングと呼ぶこともあります。そのため、マーケティングと集客は混同されやすいのです。
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整体院のマーケティングが失敗する理由
整体院のマーケティングが失敗する理由はおもに次の3つです。
- ポジショニング戦略ができていない
- 情報発信(集客活動)が不足している
- リピーター獲得の施策ができていない
このように、戦略不足や施策が不足していると、整体院のマーケティングは失敗に終わりやすいです。では、マーケティングが失敗する理由についてくわしく解説します。
ポジショニング戦略ができていない
ポジショニング戦略とは、競合と差別化を図ることによって、自院を継続的に利用してもらうことを指します。このポジショニング戦略ができていないと、数ある整体院のなかからお客様に選んでもらえません。
とくに整体院は整骨院や接骨院、マッサージ店と比較して、国家資格がなくても開業できることからコンセプトやメニューの内容が曖昧になりがちです。ポジショニング戦略を立てて、選ばれ続ける整体院になるためにも、ターゲット層の明確化や自院の強みを打ち出すなど、競合との差別化を行いましょう。
また、その強みを押し出しても、その部分のみを目的に来院する人が全てにはならないので、不安にならずにメッセージを発信していきましょう。
情報発信(集客活動)が不足している
信頼できる情報の発信が不足していると、購買サイクルの最初のステップである「認知」や「興味」につながりません。とくに、最近ではSNSやGoogleマップなど、インターネットから整体院を探す人も増えています。
そのため、オンラインの広報活動は必要不可欠といえるでしょう。また、「認知」から「興味」にステップを進めるためには、信憑性の高い次のような情報が効果的といわれています。
- 施術者の資格(国家資格や民間資格)または実績
- 店舗や施術中の画像または動画
- 施術前と施術後の画像
- 口コミ
判断材料が少ないと見込み客に検討してもらえません。認知度はあるのに購買につながらない場合は、情報発信の数や質を見直してみてください。
リピーター獲得の施策ができていない
新規客は獲得できてもリピートにつながらない場合は、リピーター獲得の施策ができていない可能性が高いです。たとえば、会計時に次の予約を促すだけでも、リピート率が変わる可能性があります。
もちろん、しつこくリピートを促すのは逆効果ですが、お客様の負担にならない程度にリピートを促すことで再来院を検討してもらえるでしょう。また、整体は体のゆがみなどを整えるのがおもな目的なので、継続して通う重要性を説明するのも一つの方法です。
しかし、サービスの質や価格、院内の雰囲気やスタッフの対応などといった部分で満足してもらえないと、リピーター獲得の施策を行ってもなかなかリピートにつながらないので注意してください。
整体院でマーケティングを行うメリット
整体院でマーケティングを行うメリットは、おもに次の2つです。
- 安定的に集客できる
- 安定した売上が期待できる
集客の仕組みづくりや、売上がアップする仕組みづくりを行うことは経営の安定につながります。
安定的に集客できる
マーケティングは購買サイクルに応じて見込み客にアプローチできるため、見込み客をリピーターまで育成することが可能です。顧客となったお客様は最終的にリピーター(ファン)となります。
ファンに口コミなどで良い評判を拡散してもらうことが更なる集客につながるため、自動的に継続して集客ができる仕組みを作ることも可能です。
安定した売上が期待できる
マーケティング(売れる仕組みづくり)を成功させれば、常に安定した売上が期待できるようになります。何よりも精神的に安定して運営できます。毎月の売上も予想できるため、毎月売上の心配をする必要がなくなるでしょう。
また、整体院の経営を安定させるためには、リピーターの獲得が必要不可欠です。極端にいえば、毎月100人対応できるリソースがある場合、100人のリピーターがいれば新規客を集客する必要はありません。新規も必要ですが、それ以上にリピートが大切です。
このように、マーケティングによって集客が自動化できれば、リソースもコストも最小限に抑えることができるのです。
新規獲得のためのマーケティング方法
新規客を獲得するためには、時間がかかる方法ではなく、短期間または中期間で成果が見込める集客方法を実施するのがおすすめです。
オフラインの広告を実施する
オンライン上ではなく、オフラインの広告は自院の認知度を高めるために役立ちます。たとえばオフラインの広告には次のような種類があります。
- 看板
- 店頭ボード
- チラシの配布
- チラシのポスティング
自院が道路に面している場合、看板や店頭ボードを設置すると通行人に自院を認識してもらいやすくなります。とくに自院がビルの2階以上に位置する場合、店頭ボードを設置すると自院をアピールしやすくなります。
また、チラシの配布やポスティングも自院の認知度拡大につながるオフライン広告です。とくに自院のターゲット層が高齢者の場合、オンライン広告よりもチラシなどのオフライン広告の方が集客効果が見込めます。
MEO対策を行う
MEO(Map Engine Optimization)対策とは、おもにGoogleマップなどの地図検索において上位に表示させるための取り組みです。たとえば「地域名+整体院」で検索したとき、検索結果で上位に表示されていれば、来院してもらえる可能性が高まります。大きなお金を使う必要がなく、実績が積み重なるのが特徴です。こまめに評価をもらえるようにお声がけを徹底するとうまくいきやすいです。
また、検索結果には自院の基本的な情報とあわせて口コミも表示されるので、MEO対策とあわせて口コミ対策も行うのがおすすめです。口コミ特典を設けて口コミの数を増やしたり、口コミに返信をしたりして信頼を高めていくと、検索エンジンからの評価アップにつながります。
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キャンペーンを実施する
初回割引やクーポンの配布などといった価格で訴求するキャンペーンは、短期的に集客できる方法として一般的です。しかし、予算や期間を決めてから実施しないと、赤字になってしまう可能性があるので注意が必要です。
また、キャンペーンは一時的な集客率アップにつながるものの、長期的な集客方法ではありません。キャンペーンを実施するときは、リピーター獲得のための施策をあわせて行うのがおすすめです。
キャンペーンは値引きだけでなく、サンプルやオプションサービスのプレゼントなど、コストを抑えて行う方法もあるので、予算に合わせて検討してみてください。
リピーターを増やすためのマーケティング方法
「購買サイクル」からもわかるとおり、リピーターを獲得するためには段階的に見込み客を育成する必要があるため、中期間〜長期間の施策が必要となってきます。
ホームページやSNSを活用する
情報発信として活用できるホームページやSNSは、新規の集客をはじめ、リピーターを獲得するために役立ちます。ホームページを制作すると信頼感がアップするほか、予約フォームを設置してSNSで集客するなど、組み合わせることで相乗効果が期待できます。
ホームページ制作はコストがかさむイメージがあるかもしれませんが、ワードプレスなどを活用すれば低コストでホームページ運用が可能です。ワードプレスは、基本的なWEBの知識があれば簡単にカスタマイズできるほか、ブログのように記事投稿もできるのでおすすめです。
また、SNSは基本的に無料で運用可能で、拡散力も高いのが特徴です。フォローやコメント、いいねなど、顧客とコミュニケーションが取りやすいので、信頼感を高め、リピーターを増やすのに向いています。自院に適した発信のスタイルを見つけると、運用も集客も効率が良くなります。
LINEやメールマガジンを活用する
来店した顧客に一定期間を開けてLINEのメッセージやメールを送信したり、定期的にメールマガジンを送信したりして、自院を思い出してもらう対策をしておくと、再来店につながりやすいです。LINEのメッセージやメールの場合、次のような内容がおすすめです。
- 「その後いかがでしょうか?定期的に施術を受けていただくのが効果的です」
- 「初回来店していただいた方限定!2回目以降の施術に利用できるクーポンをプレゼントします」
このように、再来店するメリットを伝えるのが効果的です。
リピーター割引やキャンペーンを設ける
コストはかかりますが、リピーター割引やキャンペーンを設けると再来店につながりやすくなります。おもな施策は次のとおりです。
- ◯日以内の予約割引(来店時に次回の来店を促進)
- ポイントカードの作成
- メッセージやメールで再来店キャンペーン情報を送信
来店時に次回の来店を促す施策は、割引の有無に関わらず実施するのがおすすめです。その際に、次回の予約をしておいた方が希望の日程で予約が取りやすいことや、理想的な間隔で通うことができることなどを説明すると、次回の予約につながりやすいです。
整体院が集客を成功させるためのポイント
整体院が集客を成功させるためのポイントは、おもに次の2つです。
- ペルソナを明確にする
- ブランディング戦略を立てる
ペルソナを明確にする
ペルソナとは、ターゲットとなる特定の1人を想定し、年齢や性別をはじめ、職業や趣味、生活スタイルなどをイメージすることを指します。たとえば、ペルソナを次のように設定するとします。
- 30代・会社員の女性
- ベンチャー企業勤務
- ジムやピラティスに通っている
- 買い物でストレス発散をする
デスクワークが多いことから、肩こりや体の歪み、目の疲労などの悩みを抱えている可能性が予想できます。また、勤務時間にバラつきがあり、予定が立てづらい可能性が高いです。
このように、ペルソナを明確にするとニーズに合ったサービスを提供できます。反対に自院の商圏からターゲットを決定し、競合を調査した上で差別化できるようなコンセプトやサービスにするのも一つの方法です。
ブランディング戦略を立てる
競合と差別化するためには、独自の強みが際立つブランドイメージを構築し、発信することが大切です。せっかく競合と差別化できる強みがあっても、見込み客に伝わらなければ集客につながりません。ブランドとして認知してもらうためにも、次のような方法でブランディング戦略を立ててみてください。
- ブランドストーリーの作成:自院のこだわりや思い、開院するまでのストーリーを作成する
- ブランドイメージの構築:「アットホーム」や「ラグジュアリー」など、自院のイメージや雰囲気を決定する
- ロゴの作成:シンプルかつ特徴的なロゴを作成して使用する
- デザインの統一:店舗の外観や内装、ホームページ、SNSなどの色味や雰囲気を統一する
ブランディング戦略を立てて自院を運営することで他院と差別化が図れるのはもちろん、販促活動に一貫性が出るので効率的な集客が実現します。
まとめ
売れるための仕組みづくりであるマーケティングがうまくいくと、限られたコストやリソースで生産性を高めることができます。また、整体院を安定的かつ継続的に運営するためには、マーケティング活動の一貫である集客が重要な意味を持ちます。
見込み客や新規客の獲得からリピーター獲得につなげ、効率的に売上を確保する仕組みを構築していきましょう。
監修者プロフィール
- 大学卒業後、東京医療専門学校に進学。鍼灸マッサージ師、柔道整復師の国家資格を取得。整骨院や整形外科などの医療機関にて臨床現場を経験し、その後カナダ・トロントへ留学。現地治療院にて臨床を経験し、帰国後、麻布十番に治療院を開業。
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