【本記事の監修者】
岩井 隆浩(麻布十番ループル治療院 創業者)
はり師/きゅう師/あん摩マッサージ指圧師/柔道整復師
初期投資を抑えつつ開業できる訪問マッサージは、多くの方にとって関心のある分野ですが、「開業には資格や届出が必要になる?」「需要は本当にあるのか?」といった不安や疑問も少なくないです。訪問マッサージには資格の有無など、さまざまな開業方法が存在します。
この記事では、訪問マッサージの開業の種類やサービスを開始するまでのステップを分かりやすく解説しています。資金や注意点についても詳しく解説しているので、ぜひこれを参考にして、事業をスムーズに軌道に乗せていく手助けにしてください。
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目次
訪問マッサージは資格があれば開業できる?
訪問マッサージは「あん摩マッサージ指圧師」の国家資格を持っていれば開業できます。
反対に資格を持っていなければ、技術があったとしても開業することはできません。
資格を有しているものの実務経験がない場合、1年間の実務を経て施術管理者としての要件を満たすことで、開業することが可能となります。
また、公益財団法人東洋療法研修試験財団が提供する施術管理者研修を受講することも必須です。
この研修は、新たに開業する際に保険を利用し、療養費の受領委任を適切に取り扱う管理者が、質の高い施術を提供できるよう支給申請を正確に行うためのスキルを身につけることを目的としています。開業を希望する場合、施術管理者の登録と施術管理者研修の受講が不可欠であるため、十分に注意してください。
手を使う施術を「マッサージ」と捉えている人も多いですが、実は「マッサージ師」と名乗ったり店名やメニューに「マッサージ」と表記したりできるのは、「あん摩マッサージ指圧師」の資格を持っていなければいけないと法律で決められています。
そのため、訪問であん摩、マッサージ、指圧のサービスを行うには国家資格を取得しなければいけません。
「あん摩マッサージ指圧師」の国家資格を取得するためには、専門学校で知識や技術を学び、国家試験に合格する必要があります。また、針やお灸などの施術を行う場合は、それぞれ「はり師」「きゅう師」の国家資格が必要です。
専門学校の種類によっては複数の資格取得を目指せる学科も存在します。時間帯ごとに分かれている学校もあるので、働きながら資格取得を目指すことも可能です。
訪問マッサージを成功させる秘訣とは?
開業した際、事業をどのように成功へと導くかは多くの人が関心を寄せるテーマです。
近年、電子カルテを活用した成功事例が増加しています。かつては紙のカルテを使用していた施術者が多数いましたが、情報漏洩やカルテの紛失、移動中の汚れや濡れといったリスクが伴うため、これらの課題を解決する必要があります。
電子カルテの利点は、情報が迅速に取り出せる点です。患者さんやそのご家族、ケアマネージャー、担当医師との会話の際に、必要な情報を即座に引き出せるため、情報共有が正確になり、信頼関係を高めることが可能になります。これにより、地域での評判が広まり、自然に紹介が増える好循環が生まれます。このような良いサイクルを構築することが、成功の秘訣と言えます。
さらに、療養費のレセプト作成時にも、電子カルテを活用することで、思い立った瞬間に情報を記録する仕組みを整えることが重要です。これにより、より正確な作業が実現し、レセプトの返戻数を減少させるとともに、不正請求の疑いを抱かれるリスクも軽減します。また、現状の施術状況を容易に分析できるため、運営の改善にも寄与します。
このように、現代に適した運営形態を構築することが、成功を収めるための鍵となります。
リラクゼーションやエステなら資格なしでも開業できる
「マッサージ」ではなく、リラクゼーションやエステなどのサービスを行う場合は資格なしでも開業可能です。マッサージと混同されがちですが、次のサービスは「あん摩マッサージ指圧師」の資格がなくても開業可能です。
- リラクゼーション:アロマ、ヒーリングミュージックなどを用いながら、手を使った施術をリラックス目的で行う
- エステ:美容機器や手を使って美容を目的とした施術を行う
- 整体:肩こりや腰痛など、体の不調改善につながる施術やアドバイスを行う
それぞれ国家資格や業務経験がなくても開業できますが、信頼性をアピールするなら民間資格の取得や、たしかな業務経験を身につけるのがおすすめです。
また、訪問マッサージサービスのオーナーとしてあん摩マッサージ指圧師を雇用する場合、オーナーが資格を持っていなくても開業は可能です。
団体に加入するとメリットがある場合も
あん摩マッサージ指圧師やはり師・きゅう師の資格を取得するためには時間もお金も必要です。
しかし、行える施術の幅が広がったり、信頼性が増したりなど、国家資格を取得するメリットは大きいと言えます。
たとえば、あん摩マッサージ指圧師の場合、資格を取得すれば通院するのが困難な患者さんに訪問し、保険適用の施術を行うことができます。また、あん摩マッサージ指圧師やはり師・きゅう師の国家資格を持っている人は、それぞれの資格に応じた団体に加入できます。
「マッサージ師協会」に加入した場合、医療費の支給申請書の作成・申請代行などのサービスが利用可能です。また、万が一病気やケガなどの事情で事業が継続できない状況になったときは所得補償保険に加入できるため、もしものための備えになるでしょう。
訪問マッサージは需要がある?
日本では少子高齢化が顕著な問題となっています。総務省の調査によると2022年9月時点で総人口は82万人減少している一方、65歳以上の高齢者人口は、3627万人と、前年に比べ6万人も増加しています。これは訪問マッサージに大きな需要があると言えます。
総人口に占める高齢者の割合を示す高齢化率は29.1%と、過去最高を記録しました。
このデータから分かるように、高齢者の割合が増えるなか、身体に何らかの症状を感じていても病院や治療院に通院できない高齢者、または在宅で介護を受ける高齢者も増えていると予測できます。そのため、訪問マッサージの需要は年々高まっていると言えるでしょう。
また、訪問マッサージは継続して行うケースがほとんどなので、収入が安定しやすく、経営の見通しが立てやすいというメリットがあります。月間22〜23人の利用者に対して定期的に訪問マッサージを行うことが可能です。
月額100万円以上の売上を実現している場合も珍しくありません。
訪問マッサージの開業には種類がある
訪問マッサージは自分で資格を取得して個人で活動している人ばかりではありません。
さまざまな開業方法があるので、自身が目指す経営方針にマッチした方法で開業するのがおすすめです。
コンサルティングサービスの利用
「開業の知識がない」「経営のアドバイスがほしい」という人は、開業コンサルティングサービスを利用して開業を目指すのも一つの方法です。プロから開業や経営のアドバイスがもらえるため、スムーズに開業できるというメリットがあります。
訪問マッサージは保険適用の治療を取り扱うのが一般的なので、出張業務開始届や開業届をはじめ、受領委任の届出など、開業前〜開業後にかけて立て続けに手続きを行わなくてはいけないケースも少なくありません。
開業の手続きが滞ったことにより、開業が遅れないよう、プロと一緒に開業を進めるのも検討してみてください。
事業が軌道に乗るまでは、開業時の手続きとマーケティングなどについても相談できると安心です。
フランチャイズへの加盟
店舗型のマッサージ店と同様に、訪問型マッサージのフランチャイズも存在します。
フランチャイズに加盟すれば、大手のネームバリューを利用できるほか、もともと認知度や信頼度がある状態からサービスをスタートできるので、集客の面で有利になるでしょう。
また、スタッフの採用をサポートしてもらえる場合もあるので、スタッフを雇用して幅広く事業を展開していきたい人におすすめの開業方法です。しかし、フランチャイズへの加盟は初期費用がかかるほか、月々売り上げの数%を支払う必要があります。費用対効果や用意できる開業資金を加味して検討してみてください。
マッサージ師を雇用して開業
あん摩マッサージ指圧師の資格を持つスタッフを雇用して開業すれば、自身が資格を保有していなくても開業できます。自身のスキルに関わらず、人材を確保できればすぐに開業できるのが大きなメリットと言えるでしょう。
また、はり師・きゅう師の資格やエステティシャンの経験など、雇用するスタッフのスキルやキャリアに合わせて、幅広くサービスを展開できるのも魅力です。
訪問マッサージを始めるまでのステップ
訪問マッサージを始めるまでの手順はおもに次の6ステップで進めるのがおすすめです。
- 開業の形式を決める
- 開業準備を始める
- 物件を決定する
- 資金調達を行う
- 開業に関する届出を行う
- 備品の購入を行う
それぞれやるべきことを確認し、開業までのスケジュールを検討してみてください。
開業の形式を決める
まずは開業の形式を決定しましょう。フランチャイズに加盟するのか、オーナーとしてスタッフを雇うのかなど、営業方法をはじめ、開業の形式も次の2つから選択します。
- 個人事業主として開業する
- 法人として開業する
オーナーとして幅広く事業を展開していきたいなら法人として開業するのがおすすめです。しかし法人になるためにはさまざまな手続きが必要なほか、費用もかかります。
個人事業主から法人に切り替えることも可能なので、まずは個人の力で少しずつ事業を広げていき、売り上げが増えてから法人になるのを検討するのも一つの方法です。
開業準備を始める
開業準備において、まずはじめに行わなければいけないのは、コンセプトやターゲットの決定です。マッサージ店をはじめとするリラクゼーション業界の市場規模はコンビニ市場よりも大きいと言われているので、独自性をアピールしないとサービスが埋もれてしまいます。
とくに訪問マッサージは店舗がないので、ホームページやSNSでサービスの魅力や信頼性を見込み客に伝えなければいけません。開業する前から準備しておきましょう。
自身のキャリアや経験、資格などをもとに強みや魅力を見つけて、ニーズがありそうなターゲットを設定しましょう。
コンセプトやターゲットが決まったら、事業計画や資金計画を作成します。融資を受けたり補助金を利用したりする場合、事業計画や資金計画を提出しなければいけないこともあるので、現実的かつ具体的な計画を立てましょう。
物件を決定する
訪問マッサージは施術ができる店舗を設ける必要はありません。
しかし、拠点として開業する事務所を設定しなければいけません。個人でサービスを行う場合は自宅を事業所として申請しても構いませんが、賃貸物件に住んでいる場合、大家さんが事業所としての使用を認めていないケースもあるので確認が必要です。
スタッフを雇用して出張サービスを行う場合、ターゲットの居住地や競合を調査して拠点となる物件を決定するのがおすすめです。
また往診の場合は、拠点からの距離が往診時の料金算定に関わってきます。この辺りにも注意しながら開業準備を進めましょう。
資金調達を行う
訪問マッサージを開業するときの資金調達方法は貯蓄だけではありません。
開業資金が足りない場合は次の方法で資金調達できるケースがあります。
- 銀行や日本金融公庫からの融資
- 親族からの借り入れ
- 補助金や助成金の利用
- クラウドファンディング
補助金や助成金は返済の必要がないので、事業を行うときにまず該当するものがないか確認しておくのがおすすめです。補助金は選考があるものの、助成金は要件に当てはまっていれば支給されるので優先的にチェックしてみてください。
また、オーナーとしてスタッフを雇用してサービスを始める場合、人材の確保も行わなければいけません。コンセプトやターゲット、経営計画をもとにスタッフに求める人物像を明らかにし、求人活動を行いましょう。
開業に関する届出を行う
訪問マッサージを開業するときは事業を開始した事実がある日から1ヶ月以内に開業届を管轄の税務署に提出する必要があります。医療保険を取り扱う場合は地方厚生局へ受領委任に関する届出をしなければいけません。
また、訪問マッサージは店舗での開業とは違い、開設届ではなく「出張業務開始届」を提出する必要があります。(すでに開設届を提出している施術所が出張サービスを開始するときは「出張業務開始届」を提出する必要がありません。)届出にはそれぞれ期日があるので、必要な届出をピックアップして、スケジュールを立てるのがおすすめです。
備品の購入を行う
訪問マッサージは施術所を開設するよりも必要な備品は多くありません。
開業にあたって、おもに必要な備品は次のとおりです。
- PC
- プリンター
- スマートフォン(予約管理や顧客との連絡手段として使用)
- 事務用品
- 施術着
- 消耗品(タオルやマスク、アルコールスプレーなど)
- 折りたたみベッド
また、移動手段として自転車やバイク、自動車を準備しなければいけないケースもあります。たくさん揃えても「必要なかった」というケースもあるので、最低限必要な備品を準備して開業してから買い足していくのも一つの方法です。
訪問マッサージの開業に必要な資金
訪問マッサージは10万円〜100万円程度で開業できると言われています。たとえば自宅を拠点に開業する場合、自動車などの移動手段やPCなどのOA設備がそろっているのであれば、10万円以下の資金で開業することも夢ではありません。
反対にスタッフを雇用したり、事務所として物件を借りたりする場合、まとまった開業資金が必要になります。しかし、助成金のなかにはスタッフの労働環境改善やキャリアアップなどの取り組みを行うと支給されるものもあるので、開業資金や経営資金を抑えられる可能性があるでしょう。
開業後はおもに次のような経費がかかります。
- 交通費(自動車のガソリン代、車両維持費など)
- 広告宣伝費
- 経理にかかる費用(会計ソフト、税理士への依頼など)
- 業務効率化ツールの利用料(予約システム、電子カルテなど)
- 消耗品費
スタッフを雇用している場合は人件費が、物件を借りている場合は賃料が加算されます。
訪問マッサージと訪問リハビリの違いとは?
訪問マッサージと混同されやすい訪問リハビリですが、この2つは施術内容や必要な資格などが異なるまったくの別物です。おもな違いは次の表を参考にしてみてください。
訪問マッサージ | 訪問リハビリ | |
施術内容 |
|
|
必要な資格 | あん摩マッサージ指圧師 | 理学療法士など |
対象者 |
|
|
適用される保険 |
|
|
必要な書類 | 医師の同意書(診断書) | 医師の指示書または診療情報提供書 |
このように、訪問マッサージと訪問リハビリは、施術の内容や目的、必要な資格から取り扱う保険まですべて違います。訪問してサービスを提供するという点では共通していますが、まったく違うサービスと言えます。
訪問マッサージを成功させる方法
訪問マッサージを成功させるためには次の3つのポイントに気をつけるのがおすすめです。
集客に力を入れる
訪問マッサージ専門のサービスを行う場合、実店舗を持つマッサージ店と比較するとサービスの存在を認知してもらいにくいので、より集客に力を入れる必要があります。いくら優れた技術を持っていて、質の高いサービスを提供できていても、新規客やリピーターが獲得できなければ、たちまち経営は立ち行かなくなってしまいます。
集客の方法はターゲット層やサービスのコンセプトに合わせて検討するのがおすすめです。たとえば高い年齢層をターゲットとしている場合、SNSやインターネット広告をメインに集客するよりも、ポスティングやフリーペーパーなどへの広告掲載の方が認知度が高まる可能性があります。
訪問マッサージはマッサージ師を自宅に招くという点から、特に信頼の獲得が集客に大きく影響します。ホームページやSNSアカウントでお客様の施術の様子や施術者の紹介を行うなど、心理的ハードルを軽減する施策を行う必要があるでしょう。
競合との差別化を図る
マッサージ店や鍼灸院、整骨院、整体院などをはじめとしたリラクゼーション業界の市場はコンビニ市場を大きく上回っています。そのため、競合との差別化を図り、独自の強みや魅力を売り出していかないと、勝ち抜くことが難しいでしょう。
まずは自身のキャリアや経験、資格などをもとに、競合と差別化できるポイントを探してみてください。たとえばセラピストなどの経験があるなら、アロマを使いリラックスした状態で施術を行うなど、技術や資格、経験と組み合わせて強みを生み出すのもおすすめです。
サービスのコンセプトやブランディングを明確にすると、メニュー内容や集客方法が決定しやすくなります。競合を調査した上で自身にしかない強みや魅力を考えてみてください。
業務効率化を実現するシステムを導入する
予約やカルテ、支払いなどをスムーズに行うためにも、業務効率化を実現するシステムの導入がおすすめです。
訪問時に、タブレットやスマートフォンからもカルテ情報を確認できるのはとても便利です。
また、紙のカルテや紙の予約表を持ち歩くと紛失リスクや管理に問題があると言えます。
鍼灸・整骨・整体院専門の電子カルテシステム「リピクル」は、問診票や電子カルテ、レセコンの一元管理はもちろん、予約管理、顧客管理、分析、口コミ連携なども可能なクラウドサービスです。
シンプルな使い勝手で直感的に操作できるほか、クラウドサービスなので訪問先からでも予約状況や電子カルテが確認できるので、訪問マッサージにピッタリなシステムと言えるでしょう。とくに訪問マッサージの場合、利用者の口コミが集客に大きな影響を与えます。
業務だけでなく集客の効率化もあわせて目指していきましょう。
訪問マッサージを開業するときの注意点
訪問マッサージを開業するときの注意点は次の2つです。
不正請求には注意が必要
医療保険が適用される訪問マッサージは、不正請求を行うと行政の処罰の対象になります。施術回数を水増ししたり、往療料を水増ししたりなど、実際に不正請求をして行政処分を受けたケースは少なくありません。
もし不正請求が明るみになった場合、次のような処分を受ける可能性があります。
行政処分として保険医療機関等の指定の取消及び保険医等の登録の取消を行ったうえで保険診療を受けた患者(被保険者)の皆様の権利を守ることを目的として、行政処分の内容を公表することになっています。
引用元:東海北陸厚生局
最悪の場合、刑事告発される可能性もあるので、不正請求が起こらないように注意してください。
広告規制には注意する
あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律では、広告規制といってチラシやネット広告、看板などの広告を作成するときに適用される「広告規制」が存在します。
たとえば次のような広告は規制の対象となります。
- 「診療」や「診察」という表記
- 「各種保険取扱い」という表記
- 保険施術料金の表示
このほかにも広告規制は厳しく定められています。このような規制に違反しないよう、「診療時間」は「施術時間」に書き換えるなど、言い回しの工夫が必要です。
あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律は厚生労働省のホームページで確認してみてください。
まとめ
訪問マッサージは店舗を持たずに開業できるため、少ない開業資金でも事業を始められるのが大きな特徴です。
医療保険を利用した訪問マッサージにより安定して月額60万から100万円ほどの収入を得ることも可能です。
開業の方法によっては、まとまった開業資金が必要なケースもあるので、しっかり検討してから開業準備を始めましょう。
厚生労働省や自治体、中小企業庁では各種補助金や助成金を設けているため、活用することで開業資金が抑えられる可能性があります。補助金や助成金、開業に必要な届出にはそれぞれ期限があるので、スケジュールを立ててスムーズな開業を目指しましょう。
訪問マッサージは、店舗を持って開業してもよいですし、店舗を持たずに始めることもできるため、少ない資金で事業をスタートできる点が大きな特徴です。
さらに、継続率が高いことから、新規の顧客や紹介が増えるにつれ、事業を拡大するチャンスも生まれます。医療保険を活用した訪問マッサージでは、安定して月額60万から100万円ほどの収入を得ることも可能です。
一方で、開業の形態によっては、まとまった資金が必要となる場合もあるため、しっかりと検討した上で開業準備を進めることが重要です。また、一人で全ての課題を抱え込むのではなく、開業をサポートしてくれる会社や団体と連携することで、スムーズに事業を進めることができます。
開業後は多岐にわたる業務が発生するため、事前に効率化された業務フローを整備しておくことが不可欠です。
特に、最近は電子カルテのシステムが充実しているため、それを導入することで業務を円滑に進めることが可能です。
また、開業に際しては、厚生労働省や自治体、中小企業庁などが提供している各種補助金や助成金を活用することで、初期費用を抑えることができるかもしれません。補助金や助成金、さらに開業に必要な届出にはそれぞれ期限があるため、計画的にスケジュールを立て、スムーズな開業を目指して成功へと導いてください。
監修者プロフィール
- 大学卒業後、東京医療専門学校に進学。鍼灸マッサージ師、柔道整復師の国家資格を取得。整骨院や整形外科などの医療機関にて臨床現場を経験し、その後カナダ・トロントへ留学。現地治療院にて臨床を経験し、帰国後、麻布十番に治療院を開業。
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