医療現場や治療院でもDX化が進み、2020年の時点では一般病院の約57%、一般診療所の約50%が電子カルテを導入しているというデータがあります。
参考:電子カルテシステム等の普及状況の推移|厚生労働省
そのため、電子カルテの導入を検討しているクリニックや治療院も増えつつあります。しかし紙のカルテから電子カルテへの移行を検討したときに「使いこなせるのか」「導入するメリットはあるのか」と導入を踏みとどまっている方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、電子カルテの使い方は難しいのかどうかをわかりやすく解説します。便利な使い方や使いこなすコツも紹介しているので、ITに苦手意識がある方もぜひ参考にしてみてください。
目次
電子カルテの操作は難しい?簡単?
電子カルテの操作方法はメーカーによって違いがあるものの、ITが苦手な方でも直感的に操作できるUI(ユーザーインターフェース)である場合が多いです。
また、チャットや電話でのサポートなど、導入方法やカルテの作成方法も手厚くサポートしてもらえるケースも多いため、使い方がわからなくても導入できます。
慣れるまでの期間は必要ですが、スタッフのためにマニュアルを作成したり、研修会を開催したりなどの対策を行うと業務が定着しやすいです。
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電子カルテを導入するメリット
電子カルテを導入するメリットは、次のとおりです。
- カルテを保管するスペースを確保する必要がない
- PCをはじめタブレットやスマートフォンなどの端末も使用可能
- 常に最新のデータを共有できる
- カルテをはじめとした検査データや売上データを一元管理できる
- 検索機能ですぐにカルテを検索できる
- WEB問診票や予約システムなどの機能が使える
- ペーパーレス化につながる
紙のカルテと比較すると電子カルテは保管スペースを必要としないほか、必要な利用者のデータをすぐに検索できるので、業務効率化が見込めます。
また、電子カルテはWEB予約機能やWEB問診票機能を搭載しているものもあり、カルテ入力、管理以外の業務の効率化が目指せます。
電子カルテを導入するメリットについて詳しくはこちら↓
電子カルテのおもな機能
電子カルテはカルテ機能のほかにさまざまな機能が搭載されています。もちろん電子カルテによって機能は異なりますが、一般的な電子カルテに搭載されている機能を紹介します。
カルテ機能
カルテ機能は利用者の診療録を保存、管理できる機能です。使いやすいようにテンプレートを作成したり、既存のテンプレートを選択して項目ごとに記入します。
電子カルテによっては、処方や病歴などのデータをコピーできたり、画像や検査データとあわせて保管したりなどの機能が利用できます。
患者(顧客)管理機能
電子カルテは患者(顧客)の個人情報をはじめ、過去の利用データや売上などを一元管理できる患者(顧客)管理機能を搭載しているものが多いです。患者(顧客)管理機能は利用者のニーズを分析したり、リピーター獲得のためにキャンペーンのDMを送るときに便利です。
また、予約機能があると、利用歴や次の予約の確認も簡単にできます。
治療院の顧客管理について詳しくはこちら↓
検索機能
保存した電子カルテは、利用者名や期間など必要な条件で絞り込んで検索することができます。従来の紙カルテのようにカルテを保管する必要がないので、すぐにカルテを閲覧、更新できるのが大きなメリットです。
文書作成機能
同意書をはじめとした各種書類を発行できる文書作成機能を搭載している電子カルテも多いです。とくに自由診療を行っている場合、同意書を記入してもらうことが多いため、文書作成機能があると便利です。
ほかのシステムとの連携機能
電子カルテはレセコンや会計システムなど、ほかのシステムと連携できることがほとんどです。既存のシステムと連携できると利用者に関するデータが一元管理できるほか、予約から会計までの業務をスムーズに行うことができます。
ただし、すべてのシステムと連携できるわけではないので、既存のシステムがある場合は、連携が可能かどうか導入前に確認しましょう。
電子カルテの便利な使い方
電子カルテは紙のカルテにはない便利な機能がたくさんあります。院外での業務や院内の業務効率化に役立てることができるので、ぜひ参考にしてみてください。
訪問先や外出先でカルテを確認する
インターネットに接続してクラウド上でカルテを管理する電子カルテサービスなら、タブレット端末やノートPCを使って外出先でカルテを確認することができます。訪問診療を行う場合、紙のカルテを持ち運ぶのはセキュリティ面でリスクがあるほか、過去のデータや画像が確認できないというデメリットがあります。
しかし電子カルテの場合、過去の問診票データや画像データもあわせて保存できるため、訪問先でもスムーズに診療や施術を行うことができるのです。
テンプレートや定型文を活用する
カルテに記入する内容や項目が決まっている場合、テンプレートや定型文を登録して、入力の負担を軽減することもできます。とくに専門用語や長い単語、間違いやすい単語などを登録しておくと、データ入力の手間が大きく削減できるほか、入力ミスも減らせます。
また、カルテの入力方法も統一できるため、スタッフ間の情報共有もスムーズに行えるでしょう。
さまざまな端末で情報を共有する
クラウド型の電子カルテはデスクトップPCやノートPC、タブレット端末など、ネット環境があれば端末を選ばずにアクセスできるため、院内をはじめ院外からでも最新の情報を共有できます。
また、登録されたデータは検索機能を使えば利用者や期間などで簡単に絞り込めるため、必要な情報にアクセスしやすいのも電子カルテの特徴です。
紙のカルテのようにカルテを利用者ごとに整理したり、保管場所を確保したりする必要もないため、業務フローをシンプルにすることができるでしょう。
電子カルテを使いこなすポイント
電子カルテは導入することがゴールではありません。導入後にしっかりと対策を行い、電子カルテのメリットを最大限に活かしましょう。
マニュアルや研修会を検討する
紙のカルテから電子カルテに変更した場合、スタッフの業務フローが大きく変更されるため、電子カルテの使い方をはじめ、業務の流れなどをまとめたマニュアルを作成するのがおすすめです。
電子カルテによってはわかりやすいマニュアルが用意されていたり、導入サポートがついていたりするケースもあるので、そういった面に注目して電子カルテを選ぶのも一つの方法です。
ITやPC操作に苦手意識を持つスタッフがいる場合、研修会を開催するのもおすすめです。導入後のミス増加やスタッフから不満が出るのを防ぐためにも、スタッフへの対応は時間をかけて行うのが得策です。
サポートを最大限に活用する
電子カルテサービスにはサポートが設けられている場合がほとんどです。とくにチャットサポートや24時間のサポートを行っている場合、緊急時やトラブルが起こったときに柔軟に対応できます。
電子カルテのメーカーは使い方や対処法、よくあるトラブルなどを熟知しています。マニュアルを読むよりも問い合わせた方が早く解決するケースも多いため、サポートを最大限に活用して業務の効率を下げないように心がけてみてください。
紙カルテから電子カルテに移行する方法と注意点
紙のカルテから電子カルテに移行するためには、まず自院にベストなサービスを選択する必要があります。ここからは電子カルテの選び方や導入する際の注意点を紹介します。
自院に合ったサービスを選ぶ
電子カルテは機能が多ければいいということはありません。機能が多すぎるとかえってスタッフが操作しにくくなる可能性もあるので注意が必要です。電子カルテを選ぶときは、必要な機能を絞り込み、予算内で利用できるサービスを選びましょう。
電子カルテの予算は種類によって違うので以下の表を参考にしてみてください。
クラウド型 | パッケージ型
(オンプレミス型) |
|
利用方法 | インターネットにアクセスし、オンライン上でデータを管理する | 自院にサーバーを設置し、PCにパッケージをインストールして導入する |
サーバー | なし | あり |
初期費用 | 無料
(有料のシステムもあり) |
50万〜200万円程度 |
運営費用 | 月々の利用料 | メンテナンス料 |
導入までの期間 | 短い | 長い |
セキュリティ | 対策が必要 | 安全性が高い |
パッケージ型はセキュリティ面に優れているものの、初期費用が大きいため予算によって検討が必要です。
また、クラウド型は月々の利用料がかかるものの、導入費用がほとんどかからず、スピーディーに導入できるのがメリットです。機能や予算によって自院にベストなサービスを選んでみてください。
無料デモやトライアルを利用する
クラウド型の電子カルテは、無料デモやトライアル期間を設けているケースがあります。導入して初めてわかる部分はたくさんあるので、使ってみてから導入する電子カルテを選ぶと失敗が少ないでしょう。
とくにスタッフに利用してもらい、直感的に操作できるものを導入すると早く慣れてもらえるので、業務効率が落ちるリスクを減らせます。
セキュリティを強化する
電子カルテは保存スペースを確保する必要がないため、紙のカルテよりもセキュリティ面では優れているものの、操作ミスによる情報漏洩のリスクやデータ流出が起こらないとは限りません。
とくにクラウド型の場合、インターネット上にデータを保存するため、セキュリティソフトを導入したり、セキュリティ面に力を入れているサービスを選んだりするなど、セキュリティ対策を強化するのがおすすめです。
まとめ
電子カルテの使い方は決して難しいわけではありません。
しかし、スタッフのITリテラシーによっては、操作に慣れるまでに時間がかかる可能性もあるので、マニュアルの作成や研修などを実施して、できるだけ短い期間で慣れることができるよう、取り組んでみてください。
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