カルテは患者さんに対して質の高い施術を提供するために役立ち、症状の把握や施術計画を立てる上で必要不可欠なツールです。
本記事では実際に鍼灸師として働く岩井氏が経験談を交えながら、鍼灸院でのカルテの必要性や電子カルテについて解説します。
目次
そもそもカルテってなに?
カルテはドイツ語由来で日本では「診療録・診療記録」のことを指します。
医療に関する患者の診療経過等を記録したもので、患者の診察内容や診断結果、処方薬、経過などが記録されています。
電子カルテはカルテを電子的なデータとしてパソコンやタブレットに保存できるものです。多くのカルテは患者が初回施術時に記入する問診票とセットになっており、施術の度にカルテを取り出し、確認して診療を行うのが一般的な流れです。
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カルテに記入する基本的な内容
カルテに記入する基本的な内容は、主に患者の身体や症状に関する情報です。
- 患者の基本情報
- 主な症状
- 既往歴
- 家族歴
- 社会歴
- 嗜好
- アレルギー
- 現症や身体所見
- 検査入院後経過
- 治療方針など
カルテに記入する内容は、医療を提供していく上で非常に大切な情報の一つです。
診療に直接関係ないと思われる内容でも、記載しておくと別の疾患で受診した時に役立つかもしれません。
特に、初診時はこれらの情報を正しく聞き取り、間違いがないように記載することが大切です。
鍼灸院でのカルテの必要性
鍼灸師の中には、「カルテを記入する必要はあるの?」と思う方もいるかもしれません。
カルテは患者に対して質の高い施術を提供するために役立つツールで、基本的には必要です。カルテを導入して活用すれば、メリットは大いにあるでしょう。
自由診療の鍼灸院ではカルテ不要
自由診療のみを行っている鍼灸院であれば、原則としてカルテは必要ありません。自由診療は保険を用いずに全額を患者の自己負担で施術を行います。
ただし、自由診療であってもカルテを導入していれば、患者の症状変化が分かりやすかったり、患者に根拠のある説明ができるなどのメリットがあります。
保険診療の鍼灸院ではカルテが必要
原則として、保険診療の鍼灸院ではカルテが必要です。
鍼灸院では特定の症状に対して保険を用いた施術が認められています。
保険適用が可能な施術は、以下の通りです。
- 神経痛(臀部、足先の痺れ)
- リウマチ(慢性的な関節痛みや動かしづらさ)
- 腰痛症(慢性的な腰の痛み)
- 五十肩(腕が上がらない)
- 頚腕症候群(頚から肩、腕にかけての痛みや痺れ)
- 頚椎捻挫後遺症(自動車事故によるむち打ち症など)
患者が保険請求を行うためにはカルテの記入義務が発生します。
鍼灸院でカルテを活用するメリット
ここからは、鍼灸院でカルテを活用するメリットを紹介します。
- 症状を把握しやすい
- 施術計画を立てやすい
- 患者のフォローがしやすくなる
症状を把握しやすい
鍼灸院でカルテを活用することで、患者の症状を詳細に記録し、把握するのが容易になります。
カルテには初診時の症状や施術内容、反応などが記載されているため、次回以降の診療時に迅速に過去のデータを参照できます。
これにより患者の状態を正確に把握し、適切な施術の提供が可能になるのです。
施術計画を立てやすい
カルテを活用することで、鍼灸師は個々の患者に最適な施術計画を立てやすくなります。
患者の症状や体調の変化を記録することで、次回の施術内容や治療方針を計画する際に役立ちます。
これにより、無駄のない効果的な治療を提供でき、患者の信頼を得やすくなるのです。
患者のフォローがしやすくなる
カルテは患者のフォローアップの際にも役立ちます。
治療後の経過観察や定期的なチェックを行う際に過去の施術内容や症状の記録を参照することで、適切なフォローがしやすくなるのがメリットです。
患者が持続的に健康を維持できるようサポートし、再発防止や改善の持続を図ります。
鍼灸院でカルテを扱う際の注意点
鍼灸院でカルテを扱う際は、次の2点に気を付ける必要があります。
- 紛失に要注意
- 保管期限を把握しよう
紛失に要注意
鍼灸院でカルテを扱う際、最も重要な注意点は紛失のリスクです。
紙のカルテは紛失や破損の可能性が高く、管理には細心の注意が必要です。
カルテを保管する場所は耐火性と防水性があり、アクセス制限を設けることを推奨します。
また、電子カルテなら紙カルテよりも紛失のリスクが低く、セキュリティ的に安全、また保管も楽です。
なお、電子カルテの保存期間は紙カルテと同様に診療が完結した日から5年間です。電子カルテが主流になった現在では、半永久的に保管することが求められています。
カルテの保存期限について詳しくはこちら↓
保管期限を把握しよう
カルテの保管には、法令や規則に基づく保管期間が定められています。
カルテの保管期間は通常5年間とされています。
ただし、特定の条件下ではより長い保管期間が求められることもあるのです。
これに従わない場合、法律違反となり、罰則が科せられる可能性があります。
カルテの保管期限を超えた場合には、適切な方法で廃棄する手順を確立し、個人情報の漏洩を防ぐための措置を講じることが必要です。
鍼灸院には電子カルテがおすすめ
鍼灸院には電子カルテがおすすめです。
電子カルテがおすすめな理由は、以下の2つです。
- 問診票を事前に入力してもらえるので受付業務が楽になる
- 紙から電子化される(ペーパーレス化)
問診票を事前に入力してもらえるので受付業務が楽になる
電子カルテを導入することで、患者が事前に問診票をオンラインで入力できるようになります。
これにより、受付業務が大幅に軽減され、スムーズな患者対応が可能です。
患者も来院する前に問診票を記入することで、待ち時間の短縮や受付時の混雑を避けることができます。
また、問診票のデータが電子カルテに自動で反映されるため、情報の転記ミスや紛失のリスクが減少し、正確な診療が行えます。
紙から電子化される(ペーパーレス化)
電子カルテを導入することで、紙のカルテや記録を電子化できるため、ペーパーレス化が実現します。
これにより、物理的な保管スペースが不要になり、書類の整理や管理が簡単になります。
また、ペーパーレス化は環境にもやさしく、紙の使用量を削減することで持続可能なクリニック運営に貢献できるのもメリットです。
電子カルテはパックアップも容易に取れるため、データの安全性も向上します。
ただし、無料ダウンロードできるPDFの問診表もありますが、接骨院・鍼灸院が発行している患者さん用の問診票であることが多いので注意してください。
電子カルテの種類
電子カルテには、以下の2つの種類があります。
- オンプレミス型
- クラウド型
オンプレミス型
オンプレミス型の電子カルテは鍼灸院の内部サーバーにインストールされるタイプのシステムです。オンプレミス型はデータの管理と保管が全て院内で行われるため、高度なセキュリティとデータ保護が可能です。
また、インターネット接続は不要なためシステムが外部の影響を受けにくく、データへのアクセス速度が安定します。
しかし、初期導入費用が高額になりがちで、システムの維持管理には専門的な知識が必要でう。オンプレミス型の電子カルテは規模が大きく、リソースが充実した鍼灸院に向いています。
クラウド型
クラウド型の電子カルテは、インターネットを通じて利用するタイプのシステムです。クラウド型はデータがクラウドサーバーに保存されるため、初期導入費用が安く、システムのアップデートやメンテナンスも容易です。
また、インターネット環境があればどこからでもアクセス可能で、複数の施設を運営している場合でも一元管理ができます。リピクルもクラウド型の電子カルテサービスで、予約管理からカルテ・問診票、顧客分析、会計、口コミ管理など、店舗と訪問型ビジネスに必要な機能を一括で管理できます。
電子カルテの活用事例
電子カルテ「リピクル」の活用事例を3つ紹介します。
- GBS巣鴨地蔵通り整骨院・鍼灸院/筋膜整体院
- 東小金井 整体院Evergreen
- フィットネス×接骨院
GBS巣鴨地蔵通り整骨院・鍼灸院/筋膜整体院
GBS巣鴨地蔵通り整骨院・鍼灸院/筋膜整体院はリピクル導入前には問診票に記入する時間が長くなってしまうこと、施術開始が遅れてしまうこと、施術時間を短くせざるを得ない状況になってしまうなどの課題を抱えていました。
リピクル導入後は、患者が来院前にオンライン問診票を記入することで施術開始時間の遅れや時間の短縮が無くなったようです。
また、自動で顧客情報が作成されるため、スタッフによる入力作業が圧倒的に削減されたとも話しています。
参考:リピクル導入事例|GBS巣鴨地蔵通り整骨院・鍼灸院/筋膜整体院
東小金井 整体院Evergreen
東小金井 整体院Evergreenは、リピクル導入前には紙を保管するスペースが確保できないという悩みを抱えていました。
導入後は、電子問診票で事前に情報が得られて助かっているようです。
患者が来院してから問診票を記入するよりも時短になり、先に作戦を練ることができる点を評価しています。
また、顧客のパーソナルな情報も蓄積してくことでリピートに繋がり、それが売上にも繋がってくるとも話しています。
フィットネス×接骨院
フィットネス×接骨院は、リピクル導入前に紙の在庫、印刷のコスト、保管場所の確保、紙の管理などの悩みを抱えていました。
リピクル導入後は電子カルテで紙の管理やコストが大幅に削減したことはもちろん、Web予約機能で店舗の運営が楽になったようです。
カルテを記録する際はパソコンやタブレットに備え付けられている音声入力機能を活用し、文字入力の手間が省ける点も評価しています。
今後は問診票をさらに活用し、患者のより質の高い状況把握を行っていきたいと話しています。
まとめ
この記事では、鍼灸院でのカルテの必要性やメリット、注意点、電子カルテの活用事例などを詳しく紹介してきました。
予約・問診票・写真が 連動する電子カルテ「リピクル」は、予約管理からカルテ・問診票、顧客分析、会計、口コミ管理など、店舗と訪問型ビジネスに必要な機能を一括で管理できます。
ヘルスケア領域に特化した電子カルテで、500院以上の導入実績があります。
これから電子カルテを導入しようと考えている方はぜひチェックしてみてください。
監修者プロフィール
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- 大学卒業後、東京医療専門学校に進学。鍼灸マッサージ師、柔道整復師の国家資格を取得。整骨院や整形外科などの医療機関にて臨床現場を経験し、その後カナダ・トロントへ留学。現地治療院にて臨床を経験し、帰国後、麻布十番に治療院を開業。
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