【監修者】
岩井 隆浩(麻布十番ループル治療院 創業者)
はり師/きゅう師/あん摩マッサージ指圧師/柔道整復師
齋木 拓 (麻布十番ループル治療院)
はり師/きゅう師/あん摩マッサージ指圧師/柔道整復師/日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー
「レセプトが返戻されたけど、再請求の方法が分からない。」「レセプト返戻を防いで、金銭的な負担を減らしたい。」診療報酬を正しく受け取るために必要なレセプト。
しかし開業して間もない方は、レセプトの返戻に悩まされる方も多いのではないでしょうか。
レセプト返戻が度重なると、報酬の受け取りに時間がかかるだけでなく、信頼を失う可能性もあるので注意が必要です。
本記事では、レセプトが返戻されない方法を解説します。
さらに返礼された場合に再請求する方法もあわせてご紹介します。返戻が発生してしまった方は、ぜひ本記事を参考に再請求を行ってください。
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目次
レセプトが返戻されてしまうケース
レセプトが返戻される主な原因は2つあります。
Case1:記入項目に不備があった場合
レセプトが返戻される理由の大半が、記入項目に不備がある場合です。
特にミスが起きやすいポイントは以下の通りです。提出前にチェックリストを作成して、確認するなどしてミスを事前に防ぎましょう。
漢字の新旧
保険証に記載されている名前と実際に記入された漢字が違うことで起きるミスです。
例えば「高」と「髙」や「国」と「國」などが挙げられます。患者さんは普段書いている漢字で書く場合もあるので、保険証と照らし合わせた確認が必要です。
世帯主や番号の変更
保険者が同じでも、番号が変更されていたり世帯主が変わっていたりするケースです。保険証を月に1回は提示してもらい、情報の変更がないかを確認してください。
また自分での署名が難しい方が代理人に署名してもらう場合は、被保険者の押印が必要です。細かい注意事項を事前に確認し、不備を防ぎましょう。
署名がない、不鮮明な字体で書かれている
署名を忘れていたり、患者さんの字が読めなかったりする場合も返戻の対象です。
日頃からレセプトをチェックすれば、提出前にまとめて確認せずに済みます。署名をしてもらった際に確認する習慣をつけ、チェックにかかる時間を削減しましょう。
Case2:同じ月に他の医療機関を受診していた場合
保険法では、医科診療と柔道整復師による併給は認められていません。患者さんが同じ月に他の医師にかかっている場合、医師の診察下にあるとされますので柔道整復師は保険請求ができません。
柔道整復師が施術を行うことは可能ですが、保険適用外の自費診療になります。
患者さんの中には、どちらも保険適用と勘違いしている方もいますので、事前の確認やコミュニケーションが欠かせません。
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レセプトが返戻されてしまった場合のデメリット
レセプトは返戻されると以下のデメリットが生じます。
レセプトが返戻されると多くのデメリットがあるので、返戻されないように提出前の確認をおこないましょう。
再請求に手間がかかる
レセプトが返戻されると、提出した内容の不適な箇所を確認し修正して再度提出しなければなりません。最初の提出前に確認をしていても二度手間になり、時間もかかります。
報酬の受け取りに時間がかかる
レセプトは、診療報酬を受け取るために欠かせない手続きです。
そのためレセプトが返戻され、手続きに時間がかかるとその分報酬の受け取りにも時間がかかります。
信頼を失う可能性がある
レセプトは毎月提出しなければなりません。毎月のように返戻されていると、信頼を失う可能性も考えられます。
社会的信頼を失わないためにも、事前にミスがないか確認し、返戻を防ぐ必要があります。
レセプトが返戻されないためには?
レセプトは、返戻が無いようにしたいですが、最初のうちは難しいです。
ここでは、レセプトが返戻されないために注意したいポイントをお伝えします。
記入項目を何度も確認する
レセプト返戻の主な理由は、記入項目の不備です。レセプトの提出前だけでなく、患者さんに記入してもらった時点で、保険証や記入してもらった書類と照らし合わせた確認を怠らないようにしてください。
さらにレセプトを提出する前に再度確認をすれば、最低2回は確認できます。
月に1度の保険証確認を必ず行う
最低でも月に1回は、保険証の確認を行いましょう。
保険証は、転職や扶養など切り替えのタイミングで変わります。そのため、保険者の名前が同じでも番号や記号が変わっているケースもあります。
また家族扶養の保険証を持っている患者さんは、被保険者の名前記入を忘れがちなので、確認をしっかりとおこなってください。もし記号や番号が違うと、返戻の対象になります。
個人情報は来院のタイミングでしか確認が難しいので、来院のタイミングでチェックする習慣をつけておくと良いでしょう。
もしもの時も安心!レセプトの再請求の方法を解説
「しっかり確認を行ったのに、レセプトが返戻されてしまった」というケースもあるかと思います。
ここでは、レセプトが返戻された場合の再請求の方法をご紹介します。
なぜ返戻されたのか、理由を確認する
まず、レセプトが返戻された理由を確認してください。
前述しましたが、「内容の不備」や「記載事項の誤り」があると返戻の対象です。
確認した内容をもとに再度レセプトを作成する
返戻された理由が分かったら、誤っていた箇所を修正し、再請求の書類を作成します。
その際、再度返戻されないように何重にも確認をおこないましょう。
2人体制で確認をおこなうのもミスを減らすのに効果的です。
審査支払い期間に再提出を行う
レセプト請求には、審査の支払い期間が設けられています。
期限内に、書類の訂正や再提出を行いましょう。
注意!レセプトの再請求には期限がある
レセプト再請求の期限は、受信者が料金を支払った日から2年と健康保険法によって定められています。レセプトが返戻された場合は、後回しにするのではなく次回提出の際にまとめて再請求すると良いでしょう。
整骨院・接骨院のレセプト返戻についてはこちらも参考にしてください。
整骨院・接骨院のレセプトが返戻(へんれい)された場合、その対策とは?
正確なレセプトを作成して、安定した経営を目指そう!
レセプトは、診療報酬を正しく受け取るために必要な書類です。
最初のうちは、書類作成に時間がかかり、大変かと思いますが、患者さんが保険証を提出するごとに確認をしっかりを行えば、返戻も防げます。情報の齟齬が無いかを確認する習慣をつけ、レセプト返戻を事前に防いで業務を効率的に行いましょう。
監修者プロフィール
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