鍼灸・整体・整骨院向け 電子カルテ「リピクル」

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鍼灸整骨院

2024年11月21日

【治療院向け】カルテの書き方やその目的とは?記載例や電子カルテについても解説

カルテ記載内容

【本記事の監修者】
岩井 隆浩(麻布十番ループル治療院 創業者)
はり師/きゅう師/あん摩マッサージ指圧師/柔道整復師

治療院においてカルテ記載は必要な業務のひとつです。では、何のためにカルテ記載は必要なのでしょうか?
本記事では、これから治療院業界で働く先生方や、開業を検討されている先生方に「カルテ記載」について解説して詳しく解説していきます。
カルテの記載内容や保管期間など、知っているようで意外と知られていない内容をご紹介しますので、ぜひご覧ください。

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カルテを書くことは法律上の義務!その目的とは

カルテ 問診票

治療院のなかでも、整骨院・接骨院・鍼灸院では、カルテを書くことが義務化されていますが、その目的とはどのようなものがあるのでしょうか。
以下で詳しく解説していきます。

カルテを作成することが義務付けられている

治療院のなかでも整骨院・接骨院・鍼灸院では、カルテの作成が義務付けられています。
たとえば、整骨院・接骨院では「受領委任の取扱規程」において施術録(カルテ)の記載の必要性が明記されています。
同様に鍼灸院でも保険施術を行ったさいには施術録の記載が義務付けられており、保存期間はともに5年間です。カルテの作成は、保険外の実費施術のみを行う場合では義務付けられておらず、保険施術(療養費支給申請)を行った場合のみ義務付けられています。
ただし、保険施術・実費施術共に、施術後日に患者様の身体にトラブルが起きた際に適切な施術を行った証拠としてカルテが有効になる場合もあるため、自衛のためにもカルテ作成はしておくべきです。 

→カルテの保存期間について詳しくはこちら

診療・治療・施術に必要になるため

カルテの作成・保管は施術を行う上で重要な書類となります。
保険施術(療養費支給申請)において、カルテの作成・保存は義務化されていますが、保険外の施術においても業務上必要になります。
ひとり一人の症状経過・生活環境・施術内容などの情報を管理・共有できるのはカルテしかありません。カルテを記載しておかなければ、次回患者様が来院されたとき的確な施術ができずに顧客満足度を低下させてしまう可能性があります。
また先述したように、施術後日に患者様の身体にトラブルが起きた際、自院の施術の正当性を訴える証拠としてカルテが必要になります。

保険請求の根拠となるため

カルテの作成・保管は保険請求の根拠となります
整骨院・接骨院において具体的な例をあげると、3部位の負傷を請求する「3部位請求」や、3ヶ月ごとに負傷部位が変わる「部位転がし」などにおいて不正請求の疑いが生じるケースが多く接骨院への調査が入ることがあります。
このときに、整骨院・接骨院側の請求が正しいものだということを証明する材料がカルテです。問診や検査所見を明記し、施術や評価の変遷がわかるカルテ記載をすることで正当性が主張でき、自院の潔白を証明できます。 

カルテの種類と基本的な書き方

レセプトが返戻されない方法とは

治療院において、保険施術・実費施術の双方でカルテの記載が必要だということはご理解いただけたと思います。
では、実際カルテの記載を行うさいのカルテの種類や基本的な書き方を解説していきます。

一般的なカルテの記録内容

カルテの記録内容は一般的に以下の4つです。

  • 患者情報(氏名・生年月日・住所)
  • 負傷名・負傷原因・症状
  • 施術内容 
  • 施術日

上記のほかにも、既往歴・家族歴・仕事内容など様々な情報を必要に応じて記載する必要があります。
接骨院においては、カルテ(施術録)の記載内容が「柔道整復師の施術に係る療養費の算定基準の実施上の留意事項等について」で明記されていますので、下記をご確認ください。

◎以下引用

1 施術録の記載項目
(1) 受給資格の確認
ア 保険等の種類
① 健康保険(政・組・日) ② 船員保険 ③ 国民健康保険(退)
④ 共済組合 ⑤ 老人保健 ⑥ その他

イ 被保険者証等
① 記号・番号 ② 氏名 ③ 住所・電話番号 ④ 資格取得年月日
⑤ 有効期限 ⑥ 保険者・事業者名称及び所在地 ⑦ 保険者番号等

ウ 公費負担
① 公費負担者番号 ② 公費負担の受給者番号

エ 施術を受ける者
① 氏名 ② 性別 ③ 生年月日 ④ 続柄 ⑤ 住所

オ 一部負担割合
0割・1割・2割・3割等

◎以上のことは被保険者証等から転記するほか、必要な事柄は患者から直接聞いて記載する。
◎月初めに適宜、保険証を確認するなど、必要な措置を講ずること。

(2) 負傷年月日、時間、原因等

正しく聴取して必ず記載すること。
① いつ
② どこで
③ どうして

(3) 負傷の状況、程度、症状等

近接部位の場合は、その旨表示又は図示すること。

(4) 負傷名

第6の2の(1)によること。

(5) 初検年月日、施術終了年月日

(6) 転帰欄には、治癒、中止、転医の別を記載すること。

(7) 施術回数

(8) 同意した医師の氏名と同意日

(9) 施術の内容、経過等

施術月日、施術の内容、経過等を具体的に順序よく記載すること。

(10) 施術明細

① 初検月日、時間外等の表示、初回施術、初検料(加算=休日・深夜・時間外)、往療料km(加算=夜間・難路・暴風雨雪)、金属副子、その他
② 再検料、往療料、後療料、罨法料、電療料、包帯交換、その他
③ 上記について施術後その都度、必要事項及び金額を記入すること。
④ 一部負担金、長期・多部位の定額料金等、窓口徴収の金額は正確に記入すること。
⑤ 施術所見を記入すること。

(11) 施術料金請求等

請求年月日、請求期間、請求金額、領収年月日

(12) 傷病手当金請求等

傷病手当金証明に関する控えとして、労務不能期間、施術回数、意見書交付年月日

 ◎ここまで引用文 

カルテの種類はおもに2つ

電子カルテ メリット

カルテには紙カルテと電子カルテの2つがあります。
多くの治療院では、従来の紙カルテが使用されていますが、昨今では電子カルテを導入している治療院も急激に増加しています。
紙カルテのメリットは価格が安くコストが掛からないこと。一方デメリットは読みづらく共有が難しくなる場合があることや、保管場所が必要なことが挙げられます。
電子カルテのメリットは、パソコンやタブレットなどの端末があれば全てのカルテを保管できることや、共有がスムーズに行えることです。一方、デメリットは紙カルテに比べるとコストが掛かってしまうことが挙げられます。
電子カルテのなかにも「オンプレミス型」と「クラウド型」の2つに分かれており、オンプレミス型はデータを自院の端末で管理ができる一方で、クラウド型はクラウド上にデータ管理を行うことが特徴です。
大きな病院などではセキュリティーの観点からオンプレミス型が導入されることがありますが価格が高額になるため、治療院であれば価格も比較的安価なクラウド型をおすすめします。

カルテの書式

カルテは「保険医療機関及び保険医療養担当規則」において書式が決められています。書式は次の3つに分かれています。

  • 様式第一号(一)の1:カルテの表紙にあたるページで、最低限記録する内容を記載する
  • 様式第一号(一)の2:日々の診療内容や施術内容を記載する
  • 様式第一号(一)の3:診療内容を記載し、診療報酬を算定・請求するときに必要な点数を計算するページ

電子カルテでは、上記様式のカルテをテンプレート化しており、必要に応じて画像の添付や新しい項目を追加したりなど自由なカスタマイズが可能です。

カルテの記載事項

メニュー チェックリスト

カルテを記載する際、下記の情報を記載することでスムーズな施術が可能になります。
下記の記載事項は電子カルテにおいても記載が可能です。

患者さんの基本情報

患者様の既往歴・家族歴・職種はもちろん、生活面のなかでも睡眠・食事・飲酒・便通など施術と関連のある情報を記載しておくと施術の際に役立ちます。大切なことは、どんな些細な内容でもカルテに記載する癖をつけることです。
また、患者様が話している内容を電子カルテにきちんと入力している姿を見せることで安心や信頼を与えられます。

受給資格や被保険者番号

保険施術を行う場合には、請求のための被保険者情報を記載しておく必要があります。
被保険者情報は少しでも記載内容に間違いがあると返戻扱いとされ、療養費支給が遅れるだけでなく再送のコストも掛かってしまうため注意が必要です。
有効期限の確認や、記号・番号の入力ミスは返戻のなかでも多い事例のためご注意ください。

現在の症状

時系列で症状を記載していく必要があるなかで、現在の症状は必要な記載事項になります。
できる限り詳しい症状を患者様から聞き出すためにも、相手の回答が「はい・いいえ」などで完結してしまうクローズドクエスチョンではなく、オープンクエスチョンを心掛けましょう
たとえば、クローズドクエスチョンで「腰が痛いですか?」と聞くと患者様の返事は「はい・いいえ」になります。
一方、オープンクエスチョンで「腰がいつからどのように痛いですか?」と聞くと、患者様の返事は「昨日の夜からズキズキと痛い」など症状を詳しく教えてくれるようになり、より多くの情報をカルテに記載できます。

身体所見や検査結果

患者様の体を観察したさいの所見は詳しくカルテに記載しておきましょう。
治療院においては、腫れ・熱感などの所見だけでなく、関節可動域の左右差なども記載しておくと以降の施術のビフォーアフターに役立ちます。
また、患者様が医療機関を受診されている場合は、検査結果や診断書などのデータはきちんと保管しておきましょう。 

診断と治療方針

治療院において診断行為はできないため、負傷名として「〇〇捻挫」や「〇〇打撲」などを記載する必要があります。
また、今後どのようにして症状改善を目指してゆくのか「治療(施術)方針」を記載しておくと以降の施術がスムーズに行えます。

カルテの書き方「SOAP」とは?

カルテには様々な情報を細かく記載する必要がありますが、情報がバラバラだと見づらく共有がしづらいため「SOAP」と呼ばれる記録方法が多くの医療現場でとられています。
SOAPとは、「Subject(主観的情報)」、「Object(客観的情報)」、「Assessment(評価)」、「Plan(計画)」の順に体系立てて情報を記載する方法です。以下でそれぞれをくわしく解説していきます。

Subject(主観的情報)

Subjectとは主観的情報を指しており、「腰が痛い」「足がだるい」など、患者様(本人)の訴える症状です。
主観的情報を記載するさいは、痛みの発症時期や度合いなどを記載すると以降の施術時の評価がしやすくなります。
また、お子さまやご高齢の方などで、自身では症状を訴えることができない場合は、親族の方からの訴えが主観的情報になります。

Object(客観的情報)

Objectとは客観的情報を指しており、「膝が腫れている」「腰が曲がりづらい」などの身体的所見や、「血圧が高い」「血糖値が高い」などの検査結果も含まれています。
治療院においては、圧痛・運動時痛・運動制限などの身体的所見がよく用いられますが、誰が見てもわかるように必要な情報をわかりやすく記載することが重要です。

Assessment(評価)

Assessment とは評価を指しており、Subject(主観的情報)とObject(客観的情報)を総合的に考察したうえでの評価を行います。
医療機関においての評価をふまえたうえで診断が行われますが、治療院では診断は行えないため負傷名として記載をします。
また、接骨院においてはSubject(主観的情報)とObject(客観的情報)を総合的に考察したうえで保険施術を行うかどうかの判断もAssessmentに含まれています。

Plan(計画)

Planとは計画を指しており、Assessment(評価)を行ったうえで今後の施術計画を立てていきます。
正確な計画を立てるうえではSubject(主観的情報)とObject(客観的情報)とAssessment(評価)を体系立てて記載して整理しておく必要があるため、SOAPの記録方法が広く用いられているのです。

カルテの保存期間は5年

接骨院・鍼灸院などの治療院におけるカルテ保管は5年間と定められています。(※1)
保管の理由は、施術終了後においても患者様から施術証明書の発行依頼や、第三者機関からの施術内容照会に対応する必要があるためです。
5年分のカルテを紙で保存した場合、紙カルテを保管する膨大な場所が必要になるうえに、数年ぶりに患者様が来院された場合にカルテを探すだけでかなりの時間がとられてしまいます。
電子カルテでは、パソコンやタブレットなどの機器があるだけで5年間のカルテが保管でき、数年ぶりに患者様が来院されたときでも速やかにカルテを表示させることができるため業務がはるかに楽になります。 

(※1)(受領委任の取り扱い通知」第3章19関係)

治療院専門の電子カルテを導入するのがおすすめ

医療業界をはじめに、接骨院・鍼灸院などの治療院でも電子カルテの導入は増加傾向にあります。
ただし、治療院で電子カルテを導入する際には「治療院に特化した電子カルテ」を導入しましょう。
電子カルテシステム「リピクル」は、接骨院・鍼灸院などの治療院に特化した専門のクラウドサービスです。
問診票・電子カルテ・レセコンの一元管理はもちろん、ネット予約を取ることもできます。
当然、顧客管理・分析など顧客満足度を上げるための情報も一元管理できるため、日常の業務の手間を省けるだけでなく、売上にも貢献してくれる電子カルテとなっています。
また、リピクルはクラウド型の電子カルテのため、インターネット環境と端末さえあれば、いつでもどの端末からでもアクセスができます。 

まとめ

カルテの記載内容についてお伝えさせていただきました。
カルテの記載は接骨院・鍼灸院で行う保険施術においては義務付けられていますが、実費施術においても顧客満足度の向上やトラブル時の自衛策として記載しておくべきでしょう。
カルテの記載内容は「柔道整復師の施術に係る療養費の算定基準の実施上の留意事項等について」で指定されている内容に沿った記載はもちろん、施術上必要な情報は些細なことでも記載する癖をつけておくべきです。
カルテに記載する情報が膨大になると、紙カルテでは情報の整理や保管場所の確保が難しくなりますが、そんなときは電子カルテの導入をおすすめします。
なかでも、「リピクル」は接骨院・鍼灸院に特化した電子カルテです。問診票・電子カルテ・レセコン・ネット予約の一元管理で業務負担を軽減させ、先生方が少しでも施術に専念できるようお手伝いをさせていただきます。

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監修者プロフィール

岩井 隆浩
大学卒業後、東京医療専門学校に進学。鍼灸マッサージ師、柔道整復師の国家資格を取得。整骨院や整形外科などの医療機関にて臨床現場を経験し、その後カナダ・トロントへ留学。現地治療院にて臨床を経験し、帰国後、麻布十番に治療院を開業。