【監修者】
岩井 隆浩(麻布十番ループル治療院 創業者)
はり師/きゅう師/あん摩マッサージ指圧師/柔道整復師
整体院・鍼灸院・接骨院において、患者のリピート率向上や売上の安定を目指す取り組みは欠かせません。その中でも特に有効な施策として挙げられるのが、「回数券」の導入です。
回数券は、施術を定期的に受けたい患者にとって、費用対効果が高く、経済的なメリットが大きい選択肢となります。
また、定期的な施術を通じて治療効果を最大限に引き出すための手段としても広く活用され、非常に高い効果を発揮しています。
本記事では、回数券の導入による利点とその効果的な運用方法について、詳細に解説していきます。
目次
そもそも回数券とは?
「回数券」とは、特定のサービスや施術をあらかじめ複数回分まとめて購入する形態の券を指します。この仕組みは、整体院、鍼灸院、接骨院などの施術を受ける際に、1回ごとの支払いよりも割引価格で提供されることが一般的です。そのため、患者にとって非常にコストパフォーマンスの高い選択肢となります。
たとえば、5回分の施術を購入することで、1回あたりの通常料金よりも安く提供されることがよくあります。このように、施術を定期的に受けたい方にとって、経済的負担を軽減しながら計画的に利用できる点が大きなメリットとなります。
通いやすい環境を整えることは、施術の効果を高めるだけでなく、症状の改善や健康の向上といった目的を達成する手助けにもなります。その結果、患者から良い口コミが広がり、院の評判が向上することにつながります。この点は非常に重要なポイントです。
また、院側にとっても回数券は、リピーターの確保や売上の安定化に寄与する重要なツールとなります。さらに、回数券を導入することで、顧客が施術の効果を実感するまでの期間を確保しやすくなり、結果として継続的な利用へとつなげることが期待できます。
治療院に回数券を導入するメリット
整体院、鍼灸院、接骨院などにおける回数券の導入は、治療院側と患者側の両方に多大なメリットをもたらします。
治療院側は、安定した売上の確保やリピーターの増加が期待できる一方で、患者にとっては、経済的負担を軽減しながら定期的に施術を受けることができるという大きな利点があります。
治療院側と患者側、それぞれの視点から回数券導入のメリットについて、詳細に探っていきます。
治療院側のメリット
治療院が回数券を導入することによるメリットは、まず第一に安定した売上が見込める点です。
一般的に、顧客は施術を1回ごとに支払うことが多いですが、回数券を導入することで、複数回分の料金を一度に先払いしてもらえるため、現金の流れが安定します。このような支払い形態は、経営の安定性を高める要因となります。
さらに、回数券を購入した顧客は、購入した施術を受けるために定期的に通院する可能性が高まります。これにより、リピーターの確保が容易になります。加えて、回数券を通じて施術の効果を継続的に実感しやすくなるため、顧客の満足度向上にも寄与します。
特に、顧客が長期的な改善を目指している場合、回数券の存在は大きな動機付けとなり、契約に対する心理的なハードルを下げる効果があります。また、回数券を提供することで、競合院との差別化も図ることができるため、マーケティングツールとしての役割も果たします。
回数券の購入によって、継続的に通う患者が増えることにより、新規顧客の獲得や紹介が生まれる仕組みも重要です。これらの要素を通じて、院の経営の安定と成長が期待できるのです。
顧客側のメリット
顧客にとっての最大のメリットは、施術を定期的に受けることによって、持続的な改善が期待できる点です。特に、腰痛や肩こりなどの慢性的な症状に悩む方々にとって、定期的な施術は不可欠な要素となります。
患者は日常生活の中で施術や院のことばかりを考えているわけではありません。そのため、回数券を利用することで、1回ごとの支払いを気にせず、安心して通院できる環境が整います。この安心感は、治療に専念できる大きな要素です。
さらに、回数券は通常、1回あたりの施術費用が個別で支払うよりも割安になるため、経済的にも大きなメリットがあります。加えて、顧客が施術の効果を実感するための時間が確保されることで、途中で通院をやめることなく、計画的に改善に取り組むことが可能です。ここで重要なのは、しっかりとした施術計画を立て、それを患者にきちんと伝えることです。
また、回数券を使用することで支払いの手間が省かれ、都度の精算に煩わされることがなくなるため、よりスムーズで快適な施術体験が得られる点も魅力です。このように、患者側のメリットなくして回数券の取り組みは成立しません。したがって、常に患者の利便性や価値を意識することが不可欠です。
治療院に回数券を導入する際の注意点
- 料金設定に注意する
回数券の導入において最も重要なのは、料金設定です。顧客にとって魅力的なお得感を提供しつつ、治療院側にも利益が確保できるような価格設定を検討する必要があります。
例えば、通常の施術費用と比較してあまりにも大きな割引を設定してしまうと、経済的に赤字を招くリスクがあります。また、先払いによって得た売上やキャッシュフローが確保されても、それを無駄に使ってしまうことは避けるべきです。回数券の割引率は、施術の実費や運営コストを十分に考慮し、健全な経営が維持できる範囲に収めることが肝要です。
リピートにかかるコストや集客に関する経費とのバランスを数値化して考えることで、適切な価格設定が明確になります。特に、小規模な治療院においては、無理な割引を避けることが極めて重要です。
常に顧客と院の双方にとってメリットのある価格に設定し、無理をしないことが成功の鍵となります。
- 有効期限を適切に設定する
次に考慮すべき重要なポイントは、回数券の有効期限です。有効期限を設けることで、顧客が定期的に来院しやすくなり、治療の進捗を把握する上でも利点がありますが、同時に期限内に施術を消化できない場合の不安をもたらす可能性もあります。
たとえば、仕事や家庭の事情により定期的な通院が難しい顧客にとっては、有効期限が精神的なプレッシャーになることがあります。そのため、顧客のライフスタイルに応じた柔軟な対応が求められます。具体的には、有効期限の柔軟性や延長オプションを設けることで、顧客に安心感を与えつつ、再来院を促進することができます。
さらに、回数券は一回あたりの施術料金に比べて高額になりがちです。その際、クレジット決済を利用する場合には、決済サービスの規約に回数券の取り扱いに関する注意点があることを忘れないようにしましょう。使用している決済サービスのルールを事前に確認しておくことが重要です。最悪の場合、決済サービスの利用が停止されるリスクもあるため、十分な注意が必要です。
- 施術内容や回数を適切に設定する
回数券の内容を設定する際には、無理のない範囲で提供できることが非常に重要です。
例えば、回数券の施術回数や内容を過剰に設定すると、治療院側の負担が増加し、施術の質が低下する恐れがあります。逆に、施術回数が少なすぎると、顧客にとってのメリットが薄れ、回数券の魅力が損なわれてしまいます。
顧客のニーズを的確に把握し、適切な施術回数を見極めることが肝要です。このようにして、過不足のない設定を心がけることは、長期的な信頼関係の構築にも大いに寄与します。
また、回数券は施術を受けるための取り組みの一環であることを常に念頭に置くべきです。施術計画や目的、目標に応じた回数設定が必要であり、これが基本的な軸となります。この点を決して忘れてはなりません。
回数券の管理はリピクルがおすすめ
整体院や鍼灸院、接骨院における回数券管理に悩んでいる方には、リピクルの導入を強くお勧めします。
リピクルは、回数券の発行と管理を効率的に行うための非常に便利なツールです。
その最大の魅力は、複雑な顧客管理を一元化できる点にあります。回数券の利用回数や有効期限を自動で追跡することで、手間のかかる管理作業を最小限に抑えることが可能です。
施術後には、顧客が何回分の施術を利用したのか、次回の来院予定はいつかを簡単に把握できるため、施術に集中できるとともに、管理ミスを防ぐことができます。
また、リピクルには回数券の管理にとどまらず、顧客の施術履歴や予約状況を把握する機能も備わっており、施術ごとの詳細なデータを容易に扱うことができます。
さらに、顧客に対して次回の来院を自動的に促すリマインド機能も搭載されており、リピーターの確保に貢献します。施術内容や回数に基づいて適切なタイミングでフォローアップが可能であり、顧客満足度や信頼性の向上にもつながります。
リピクルは、誰でも簡単に迅速に使用できるシステムです。シンプルで使いやすいインターフェースを備えており、専門的な知識がなくてもスムーズに導入・運用が可能です。このようにして、スタッフの負担を軽減し、院全体の業務効率化を実現します。
リピクルの回数券管理画面では、購入日やメニュー名のほか、利用状況や最終来店日、有効期間がひとめでわかるようになっています。
また、期間を設定して、その期間の前受金や購入金額、利用金額などの回数券の売上集計も可能です。
回数券管理のデジタル化を検討されている方はぜひ参考にしてみてください。
まとめ
整体院、鍼灸院、接骨院において回数券を導入することは、顧客満足度を向上させ、経営の安定化に大いに寄与します。
患者様にとっては、コストを抑えつつ定期的に施術を受けられるというメリットがあり、院側にとってもリピーターの確保や売上の安定に繋がります。
導入に際しては、適切な料金設定や有効期限の見直しが不可欠です。これにより、顧客にとっての魅力を高めつつ、院の経営を健全に保つことができます。
さらに、回数券管理を効率的に行うためには、リピクルのようなシステムを活用することが推奨されます。これにより、手間を軽減しつつ、質の高いサービスを提供することが可能となります。
監修者プロフィール
- 大学卒業後、東京医療専門学校に進学。鍼灸マッサージ師、柔道整復師の国家資格を取得。整骨院や整形外科などの医療機関にて臨床現場を経験し、その後カナダ・トロントへ留学。現地治療院にて臨床を経験し、帰国後、麻布十番に治療院を開業。
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