電子カルテとレセコンの違いがよく分からず、お困りではないでしょうか。実は、2つのシステムは、扱う情報と使用する人物が異なります。
さらに、この記事では連携させるメリット・デメリットを解説します。結論、連携させた方が、業務効率化やメンテナンスのしやすさなどのメリットの方が大きいです。医療機関において業務効率化が図れると、患者応対など他の業務に時間を割くことが可能になるため、最後までご覧ください。
目次
電子カルテとレセコンは違うもの
電子カルテとレセコンは、そもそも異なるものです。このため、わかりやすいように違いを一覧表にまとめました。
電子カルテ | レセコン | |
できること | 患者情報管理 | 会計データ管理 |
扱う方 | 医療従事者 | 事務や会計担当者 |
上記のように、役割の違いがありますが、電子化が進む近年、電子カルテとレセコンが一体化したサービスもあります。このようなサービスも検討するために、電子カルテとレセコンのできることについて詳しく解説します。
電子カルテ:患者情報管理
電子カルテとは、診療録(紙カルテ)を電子化したものです。カルテの内容の一例は、以下のとおりです。
- 患者情報
- 既往歴
- 治療経過
従来の紙カルテでは、患者や受診回数が増えるたびに枚数が増えていき、保管場所を圧迫していきました。電子カルテでは、サーバーなどデータをパソコン上に保管できるため、物理的な場所を取ることがなくなります。
なお、電子カルテは診察室など医療を提供する場所にあり、扱う方は医師をはじめとする医療従事者です。
レセコン:会計データ管理
レセコンとは、レセプトコンピューターの略です。保険治療におけるレセプト(診療報酬明細書)を作成する役割があります。このため、レセコンでできることの一例は、以下のとおりです。
- 診療内容の入力
- 保険点数の計算
- 記入データ点検
患者は窓口で3割負担分など、自己負担分を支払います。レセプトは、残りの7割を医療機関が健康保険組合や市区町村などに請求するために必要です。
このため、レセコンは、医療機関の受付窓口にあることが多く、取り扱う方は、医療事務や会計担当者です。
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電子カルテとレセコンは連携できる
電子カルテとレセコンは連携できます。連携させた方が業務効率化を図れるので、メーカーでは、一体型の製品やサービスを提供しています。
また、自由診療のクリニックでは連携どころか、レセコン導入が不向きです。業務が煩雑になる可能性があるので、自由診療の場合は、注意しながら読み進めてください。
連携(一体型)の製品やサービスがある
電子カルテとレセコンは連携でき、一体化した製品やサービスもあります。
つまり、別々に選んで連携させるものと、最初から1つの製品として合体したものがあります。メーカーにより特徴や操作性が異なるため、利用する際は複数社で比較し、見積もりを取ると良いです。
自由診療ではレセコン導入に不向き
電子カルテとレセコンは連携できますが、自由診療がメインであれば、レセコンの導入は不向きです。自由診療は自費でかかることが多く、そもそも保険請求がありません。それどころか、キャンペーン価格や診療内容により価格が変わりやすい特徴があります。
このようなデメリットをカバーするために、自由診療では、電子カルテが会計まで行ってくれるサービスがあります。自由診療を扱う場合は、自由診療向きのサービスを検討してください。
2つのシステムを連携するメリット
電子カルテとレセコン連携のメリットは、主に以下の3つです。
- 業務が効率化する
- 入力ミスが減る
- トラブル対応しやすい
医療機関ではレセプト請求以外にも様々な業務があります。電子カルテとレセコン連携は、業務効率化に繋がり、医療機関での時間を有効活用できるため、順番に説明します。
業務効率化が図れる
電子カルテとレセコンを一体化すると業務が効率化します。患者情報とカルテ内容、診療報酬情報を一元管理できるからです。電子カルテとレセコンが別々だと、電子カルテの内容を見ながらレセコンを操作したり、その逆を行ったりと業務が煩雑になりがちです。
連携していれば、1回の入力で済むので業務が効率化し、結果、患者の待ち時間が削減されます。
このように業務が効率化することは、医療機関と患者の両方にメリットがあります。
入力ミスが減る
電子カルテとレセコンを連携すると、入力ミスが減ります。連携していると、カルテを見ながらレセコンに転記する作業がなくなるからです。
さらに、患者数が多い医療機関では、レセプト請求件数も多くなり、転記するストレスから解放されます。
このような、ヒューマンエラーをできるだけ防ぐには、電子カルテとレセコンの連携は有効といえます。
トラブル対応しやすい
電子カルテとレセコンが連携していると、トラブルに対応しやすくなります。連携は一般的に同じ会社の製品で行うからです。会社が同じだと、トラブルが起きた時に問い合わせ先は1つで済みます。
医療機関には、電子カルテとレセコン以外に様々な電子機器が導入されているので、トラブル対応が少しでも楽になることに越したことはありません。
2つのシステムを連携するデメリット
電子カルテとレセコンを連携するデメリットは、システム変更時とサーバートラブル時に体感するケースがあります。どちらも対処できることなので、業務を円滑に進めるためにも順に解説します。
片方だけのシステム変更はしにくい
2つのシステムを連携させていると、どちらか一方を変更したい時に不便に感じます。例えば、電子カルテに欲しい機能がついたソフトが、別の会社から発売された時などです。
このため、他社に乗り換える時は、両方いっぺんに入れ替える必要があります。さらに、サポートが終了した時も、両方変更する必要があります。
サーバートラブルがあると両方使えない
電子カルテとレセコンを連動させる場合、同じサーバーを使用することがあります。サーバーが一緒だと、トラブルがあった時にどちらも一時的に使えなくなります。このため、別々に使用していれば、どちらも使えないという状態にはなりません。ただし、停電など電気系統のトラブルやネットワークの通信障害では、連携にかかわらずどちらも使えなくなります。
電子カルテとレセコンを一体化して業務を効率化しよう
電子カルテとレセコンは一体化すると業務効率化を図れます。これは、入力ミスが減ったり、トラブル対応がしやすくなるためです。
また、電子カルテとレセコンを一体化すると、システム変更時やサーバートラブル時の対応が不便というデメリットがあります。
しかし、基本的には一体化した方が、業務効率化のメリットが大きいため検討した方が良いでしょう。