鍼灸師になるにはそもそも資格が必要なのか、どのような学校に通ったら良いか、知りたいですよね。
この記事では、鍼灸師になるために国家資格が必要なこと、通う学校の種類、試験の難易度などを分かりやすく解説します。記事を最後まで読むと、鍼灸師を目指すための道のりや将来性も分かります。ぜひご覧ください。
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目次
鍼灸師は国家資格が必要
鍼灸(しんきゅう)師とは「はり師」と「きゅう師」の国家資格の総称です。両方の資格を使って施術することが多いため、総称して鍼灸師と呼びます。
具体的な仕事内容は、鍼やお灸を使い、身体のツボや筋肉を刺激して施術することです。この考え方は東洋医学に基づいており、内面に刺激を与え、不調や病気を予防する効果があるといわれています。
一言でいうと鍼灸師は国家資格であり、鍼やお灸を使用して施術を行う専門職です。

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はり・きゅうを用いた治療内容
はり(鍼)きゅう(お灸)を用いた治療では、どちらも経穴というツボを刺激します。
鍼治療は太さ0.1〜0.3ミリの細い金属製の鍼を用います。鍼が細いので痛みはほとんど感じません。鍼を刺したあとは、そのまま放置したり、動かして刺激を加えたりと鍼灸師の技量により様々です。
お灸はもぐさに火をつけ、直接皮膚にのせる方法と、紙や台座を挟み間接的にのせる方法があります。どちらも火による温熱効果を利用しています。
また、もぐさには香り成分が含まれており、香りによるリラクゼーション効果もあります。
鍼灸師になるまでの流れ
鍼灸師になるには専門学校に通い、はり師ときゅう師の国家試験に合格しなければなりません。通信課程はなく、少なくとも3年以上の時間が必要ですので、注意してください。
医療職である以上、対面で時間をかけて技術を習得する必要があります。
専門学校などに通い卒業する
国家試験を受けるためには、高校を卒業後、文部科学大臣や厚生労働大臣が認定した以下の施設に通わなければなりません。
- 大学
- 短大
- 専門学校など
通う期間は3年間以上で、知識や技能を習得しなければなりません。
なお、学校は通いのみで、通信課程はありません。
はり師ときゅう師の国家試験に合格する
鍼灸師になるには、はり師ときゅう師の国家試験に合格する必要があります。鍼灸師という資格はなく、はり師ときゅう師の資格両方取得をもった職業が鍼灸師です。試験は3年生の2月に行われ、2つの試験は別の試験のため、はり師ときゅう師の国家試験をそれぞれ受験します。
はり師ときゅう師の国家試験に合格することで鍼灸師(職業名)を名乗ることができます。
国家試験の難易度や合格率
鍼灸師の職業につくには、はり師ときゅう師の国家試験にぞれぞれ合格しなければなりません。2023年度の国家試験合格率はどちらも7割を超えています。
また、試験内容で共通する科目ははり師、きゅう師どちらかで受験すれば申請により免除できます。受験の負担を減らすためにも同時に受けることが推奨されます。
難易度と合格率
はり師・きゅう師の国家試験の合格率は2023年度で、はり師70.4%きゅう師71.4%で共に7割超えです。試験対策を十分にすれば、合格可能な試験といえます。
試験範囲
厚生労働省が発表する、はり師の試験科目は以下の通りです。
- 医療概論(医学史除く)
- 衛生学・公衆衛生学
- 関係法規
- 解剖学
- 生理学
- 病理学概論
- 臨床医学総論
- 臨床医学各論
- リハビリテーション医学
- 東洋医学概論
- 経絡経穴概論
- はり理論及び東洋医学臨床論
引用元:はり師国家試験の施行
同時にきゅう師国家試験を受ける方は、はりときゅうの理論問題以外の共通科目の一方は申請により免除されます。
このため、2つの国家試験を同時に受ける方が多く、同時に受験した方が受験者の負担が少ないといえます。
鍼灸師の就職先と将来性
鍼灸師の就職先と将来性について解説します。
鍼灸師の主な就職先
鍼灸師の主な就職先は鍼灸院や鍼灸接骨院です。
また、自由診療をメインとした美容鍼灸院やエステサロンもあります。
さらに、介護サービス事業所では、鍼灸師以外の機能訓練員がいる事業所で6ヶ月以上の実務経験があれば機能訓練指導員として働けます。そのほかにも訪問治療院や病院・診療所でも働くことが可能です。
鍼灸師の将来性
鍼灸師の就業者数は、2002年〜2020年の間に約1.8倍に増えましたが、施術を受ける人の割合は、横ばいで大きな変化がないのが現状です。鍼灸師の資格だけではできることが限られているため、セラピストなど他の資格と合わせて展開することが望まれます。
鍼灸師の働き方
鍼灸師の1日の働き方について解説します。
タイムスケジュール
鍼灸師のタイムスケジュールは、一般的に以下の通りです。
- 8:30頃 出勤
- 9:00頃 午前施術
- 12:00頃 昼休憩
- 13:00頃 午後施術
- 19:00頃 退勤
出勤後や午後の施術の後にスタッフミーティングが入る場合がありますが、フルタイムの鍼灸師のタイムスケジュールは一般的にこのようなイメージです。実際に働く時は、タイムスケジュールを確認するとミスマッチを防げます。
休日・休暇
鍼灸師の休日は、日曜日と平日1日または土日休みが多いです。例外として、シフト制、予約がある時のみ開院という場所もあります。チェーン展開している鍼灸院はお盆やゴールデンウィークなどの長期休暇がかき入れ時になることがあります。
反対に個人院は、休業にする場合が多く、ワークライフバランスがとりやすいのが特徴です。どちらが良い、悪いはないため休日や休暇は、就職時に確認することをおすすめします。
鍼灸師とお金
鍼灸師になるための資格取得費用の目安や、気になる年収について解説します。
資格取得費用の目安
鍼灸師になるためにかかる費用は、卒業までの合計で約420万円〜720万円です。1年単位にはなりますが、内訳を以下の表にまとめました。
項目 | 金額 |
入学金 | 30万〜70万円 |
年間授業料 | 120万〜150万円 |
年間施設管理費 | 10万円 |
その他に白衣や鍼やお灸の材料費が入り、トータルでプラス10万円〜30万円上乗せされます。なお、授業料は学校により異なりますので、目安として見てください。
鍼灸師の年収
鍼灸師の月収は全国平均で正社員約23万円、パート・アルバイトで時給約1,250円です。単純に12ヶ月分を掛け算した、正社員の年収は約276万円で、賞与などが追加で入ります。勤続年数やスキルにより異なるため、より高額な年収になることもあります。
資格を取得して鍼灸師を目指そう
鍼灸師になるためにははり師ときゅう師の資格が必要で、2つの資格を取得するには3年以上の学習と技能取得が必要です。国家試験合格率はどちらも7割を超えているため、対策をしっかりと練れば合格を勝ち取ることは可能です。
鍼灸師以外に活動の場を広げることで年収をアップさせることができるため、資格を取得し、多方面で活躍できる鍼灸師を目指しましょう。
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