投稿日:2023-08-07
【監修者】
岩井 隆浩(麻布十番ループル治療院 創業者)
はり師/きゅう師/あん摩マッサージ指圧師/柔道整復師
齋木 拓 (麻布十番ループル治療院)
はり師/きゅう師/あん摩マッサージ指圧師/柔道整復師/日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー
「サロンの顧客管理業務を効率化したい」「顧客データを分析して顧客を増やしたい」と考えているマツエクサロンのオーナーも多いのではないでしょうか?
顧客カルテを電子化することによって、業務効率化や集客に役立ちます。
そこで、今回はマツエクサロンが顧客管理の方法として電子カルテを導入するメリットやデメリットを紹介いたします。
さらに、電子カルテサービス・アプリの選び方も解説しておりますので、ぜひ参考にして効率的なサロン運営を目指しましょう。
目次
マツエクサロン(美容院)に電子カルテは必要?
「電子カルテシステムはマツエクサロンに必要ないのでは?」と考える方もいるかもしれませんが、実はレセプトなどを作成しないマツエクサロンでも、電子カルテは業務効率化に役立ちます。
では、電子カルテとは具体的にどんなシステムなのか、どんな機能があるのかを解説いたします。
電子カルテとは
電子カルテとは、お客様の個人情報を含む施術記録などをデータとしてサーバーやクラウド上に保存するシステムです。
データとしてカルテを保管できるため、PCやタブレット、スマホなど、端末を問わずにカルテを検索・閲覧できるのが特徴です。
電子カルテを導入することで、カルテを探す手間を省き、紛失のリスクを減らすことができます。
また、カルテを保管する場所を確保する必要もなくなるため、電子カルテの利点と言えるでしょう。
電子カルテの機能とは
電子カルテの機能はサービスやアプリによって異なりますが、一般的には以下のような機能が備わっています。
- 顧客情報の入力・管理
- 施術情報の入力・管理
- 他のサービス・アプリとの連携
- 画像やイラストの添付
近年では、電子予約システムや電子クーポンを導入しているサロンも増えており、さまざまなサービスやアプリと連携させることで業務の効率化が図られています。
特にマツエクサロンでは、仕上がりの写真を撮影して記録したり、デザインの詳細を記録したりと、カルテに記録する内容が多くなりがちです。
電子カルテなら必要な情報を顧客ごと、施術日ごとにまとめて記録できるため、大変便利です。
マツエクサロン(美容院)が電子カルテサービス・アプリを導入するメリット
マツエクサロン(美容院)は電子カルテの導入が必須ではないため、紙のカルテで顧客管理をしているケースも多いでしょう。
しかし、電子カルテを導入するメリットはたくさんあります。
顧客管理の手間やコストが減らせる
紙のカルテは顧客の名前から記録を探したり、施術日を遡って必要な情報を検索したりする必要がありますが、電子カルテは欲しいデータをすぐに検索・共有できるため、業務の手間を減らせるでしょう。
顧客管理にかかる業務が効率化できれば、浮いたリソースで多くのお客様に対応することもできます。
さらに、紙のカルテでは紙やペン、カルテを保管するためのファイルやラックなどの消耗品費がかかりますが、電子カルテは消耗品費がかからないため、コストの削減にもつながるでしょう。
データをリアルタイムで共有できる
電子カルテはデータをリアルタイムで共有できるため、常に最新の情報を閲覧することが可能です。
リアルタイムでデータが共有できれば、口頭で情報を共有する手間が省けるだけでなく、伝達ミスも減らせます。
また、電子カルテは利用頻度や過去に行ったデザインなど、項目ごとに検索することも可能なので、過去のデータを見ながらスムーズにデザインを提案できるでしょう。
顧客のデータを一括で管理できる
施術の同意書やカウンセリングシート、カルテなどの書類を電子化すれば、データの管理がしやすくなります。
また、予約システムや会計システムと連携すれば、顧客に関わるあらゆるデータを一括管理することが可能です。
顧客のデータをまとめて管理することで、売上や予約メニューなどのデータ分析もしやすくなり、サービスの向上や集客戦略などにつなげることもできます。
セキュリティ対策の一環になる
電子カルテはセキュリティ対策を万全にしておくことによって、カルテの情報を保護できるのもメリットの一つです。
カルテにはお客様の個人情報の他に、プライベートな情報を記載しておくこともあります。紙のカルテの場合、カルテを厳重に保管しようとすると業務に支障をきたしてしまい、逆に使いやすくすることでセキュリティ対策が不十分になることがあります。
しかし、電子カルテはサーバーやクラウド上にデータを保存するため、お客様や取引先の方など、スタッフ以外の目に触れることがありません。
また、電子カルテはカルテの紛失も防止できるという利点もあります。
電子カルテサービス・アプリのデメリット
電子カルテサービス・アプリの導入には多くのメリットがありますが、一方でデメリットも存在します。
デメリットを把握した上で、電子カルテがサロンの運営に必要かを判断してみてください。
入力できる項目に限りがある
電子カルテはサービスやアプリによってフォーマットが決まっているため、入力できる項目が限られます。
もちろん、画像や電子ペンで記入したコメントやイラストをデータとして残すこともできますが、紙に直接記入するよりも手間がかかったり、記入したい部分に手書きのコメントが残せなかったりするケースも少なくありません。
また、端末とうまく連携できないとカルテ作成時にコメントやイラストが入力できないといったトラブルが起こる可能性もあります。
カルテにイラストや手書きのコメントを残すことが多い場合、端末のトラブルが起こったときのために、紙のカルテやペンを用意しておくと安心です。
システムによっては導入費や運用費がかさむ
電子カルテサービスやアプリは、初期費用だけでなく運用費がかかるのが一般的なので、固定費が増えてしまう可能性もあります。
電子カルテは一般的にオンプレミス型とクラウド型に分かれており、それぞれ価格が大きく異なります。
- オンプレミス型:自分のサロンだけのサーバー内にデータを保存するため、セキュリティ面で優れています。しかし、サーバーを構築する必要があるため、初期費用が膨らみやすく、専門スタッフも必要になります。
- クラウド型:クラウドサービスを利用するためすぐに導入できるほか、初期費用が抑えられます。月額制で月々の費用が発生するのが一般的です。
利用する機能の種類や数によっても価格は変わります。機能が多いほど優れているとは限らないので、サロンに必要な機能があり、使いやすいサービス・アプリを選ぶのがおすすめです。
スタッフが使いこなせない可能性がある
機能が多い電子カルテや自由度が高い電子カルテは、ITスキルが低いスタッフが使いにくいと感じることがあるかもしれません。
いくら便利な機能を兼ね備えてる電子カルテを導入しても、スタッフが使いこなせなければかえって業務効率が低くなってしまいます。
また、マニュアルを作成したり、講習を開催したりということになれば、手間や時間もかかってしまうケースもあるでしょう。
電子カルテの機能性はもちろん重要ですが、直感的に使いやすいサービスやアプリを選ぶのも一つの方法です。
紙のカルテと電子カルテの違いとは
紙のカルテと電子カルテの違いは、おもに次のとおりです。
業務の手間 | コスト | セキュリティ | 検索 | 保管場所 | 自由度 | |
紙のカルテ | × | △ | △ | △ | スペースの確保が必要 | ◎ |
電子カルテ | ◎ | △ | ◯ | ◎ | サーバーまたはクラウド | △ |
紙のカルテは紙やペンなどの物品を用意する必要がありますが、ITスキルが低いスタッフでも簡単に処理できるというメリットがあります。
また、イラストや書き込みが簡単にできるので、自由度が高いのも紙のカルテの利点と言えるでしょう。
しかしその反面、事務スペースなどに保管する必要があるため、カルテの保管場所を確保しなくてはいけません。
スタッフ以外のお客様や取引先の目に触れることもあることから、セキュリティの低さも課題の一つと言えます。
電子カルテは導入や運用コストがかかりますが、カルテの検索や共有がすぐに行えるので、業務効率化につながり、結果的に費用対効果が高くなるケースも少なくありません。
またサーバーやクラウド上にカルテを保管できるため、保管場所を用意する必要がなく、紙のカルテと比較して情報漏洩のリスクが低いのも電子カルテの特徴です。
カルテの保存期間や有効期限はある?
カルテの保存期間は「保険医療機関及び保険医療担当規則第9条」で5年間と定められています。
「マツエクサロン(美容院)は保険医療機関に該当しないのでは?」と思う方もいるかもしれません。
しかし、マツエクの施術には美容師免許の保持が必須となっているほか、営業するためには管轄の保健所に申請が必要であることから、マツエクサロン(美容院)もカルテを5年間保存するのが原則であると言えます。
カルテの保存は施術が完結した日から5年間保管する必要があるので、たとえば引っ越しなどをきっかけに来店しなくなった顧客のカルテでも、施術を行った日から5年間は保存しておく必要があります。
つまり顧客の来店に関わらず5年分のカルテは保存しておかなければいけないため、カルテは顧客の人数よりも量が増えるのが一般的です。
電子カルテなら保管場所がサーバー、またはクラウドになるので、カルテの置き場所に困る心配がありません。
マツエクサロン(美容室)におすすめ!
電子カルテサービス・アプリの選び方
マツエクサロン(美容室)が電子カルテサービス・アプリを選ぶときは、次の3つのポイントに気をつけるとコストの無駄を減らして、使いやすいサービス・アプリを選択できるでしょう。
パソコンでもスマホでも管理できる
最近では、タブレットで決済できるシステムを導入したり、SNSを活用してスマホで予約管理をするケースも増えています。
そのため、電子カルテもパソコンだけでなく、タブレットやスマホなどの端末を問わずに使えるものを選ぶと便利です。
また、クラウド型の電子カルテサービス・アプリなら、場所を問わずにどこからでも電子カルテにアクセスできます。
出先でカルテを確認したり、離れた場所にいるときにスタッフ間でやり取りしたりする必要がある場合、クラウド型の電子カルテサービス・アプリを選ぶことをおすすめします。
ほかのシステムと連携できる
すでに予約システムやWEB問診票システムなどを導入している場合は、既存のシステムと連携できる電子カルテサービス・アプリを選ぶ必要があります。
システム同士が連携できないと、顧客情報を二重管理することになってしまいます。その結果、「最新のデータがどこに保存されているのかわからない」、「正確なデータがどちらかわからない」といった問題が発生し、業務の手間やミスのリスクが増大する可能性があります。
業務の効率化を阻害しないよう、電子カルテサービス・システムは慎重に選定することが重要です。
集客に役立つ機能が備わっている
電子カルテサービス・アプリの中には、さまざまなサービス・システムと連携して収集したデータをもとに分析し、集客に活かせるものも存在します。
売上や顧客単価、来店頻度や人気メニューなどのデータを元に、クーポン配布やキャンペーンを実施することはもちろん、施策の効果を検証することも可能です。
鍼灸・整骨・整体院専門の電子カルテシステム「リピクル」は、問診票や電子カルテ、レセコンの一元管理はもちろん、予約管理、顧客管理、分析、口コミ連携なども可能なクラウドサービスです。
クラウド型なのでどこからでも端末を問わずにアクセスできるだけでなく、お申し込みから最短1週間で利用開始できる点も特徴です。ぜひ検討してみてください。
まとめ
電子カルテサービス・アプリの導入や運営にはコストがかかりますが、その分、費用対効果が見込めるメリットがたくさんあります。
顧客管理業務を効率化することで、空いたリソースを活用して新たなお客様を増やすことができ、売上を向上させることができるでしょう。
また、顧客情報を一元管理することで、記録したさまざまなデータを活用してお客様にきめ細かいサービスを提供できます。このように、電子カルテは顧客満足度にも貢献してくれる利点があります。
予約システムやWEB問診票システムなど、さまざまなサービスと連携できる電子カルテサービス・アプリを活用して、サロンの生産性や売上を向上させていきましょう。
監修者プロフィール
- 大学卒業後、東京医療専門学校に進学。鍼灸マッサージ師、柔道整復師の国家資格を取得。整骨院や整形外科などの医療機関にて臨床現場を経験し、その後カナダ・トロントへ留学。現地治療院にて臨床を経験し、帰国後、麻布十番に治療院を開業。
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