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クリニック

2022年3月22日

美容クリニックのホームページで使えない表現とは?

情報発信の手段として、多くの企業や店舗がホームページを開設しています。美容クリニックも患者の利便性を考え、ホームページで情報発信を行っているところが多く見られます。ただし、美容クリニックの場合、発信する内容は法律により規制の対象となるため、掲載できない表現があります。

虚偽広告・誇大広告・比較優良広告の禁止

2018年6月に厚生労働省より施行された「医療広告ガイドライン」により、美容クリニックのホームページやメールマガジンも広告とみなされることになりました。広告では禁止されている表現が数多くあります。法律違反になることのないよう、改めて確認してみましょう。

通常の企業広告でも虚偽広告、誇大広告、比較優良広告は禁止されていますが、美容クリニックの場合、どういった表現がそれにあたるのでしょうか。

虚偽広告
データの根拠がなく提示されるものです。データ元が明確にされていないのに「99パーセントの満足度」と表現したり、理論上“絶対安全”はありえないにもかかわらず「絶対に安全な手術です」などと表現することが虚偽にあたります。
誇大広告
メリットのみ誇大に表示され、注釈などが小さい文字で書かれている場合などがあてはまります。例えば「シミ治療、1か所〇〇円」と低価格をアピールし、人の目をひくようにした上で、注釈で小さく「新規来院の方、2か所までに限る」と書いているような場合です。
また、「医療脱毛」の施術を例にとると、「3か月間は(無制限に、回数制限なく)施術できるので、脱毛が完了します」などとする表現は、毛周期の関係で実質的に期間中に受けられる回数が限られているため、誇大広告とみなされます。
比較優良広告
不特定の他の医療機関と比較し、規模や人員、医療内容が優れていると表現することで、「県内有数」「最高の医療」「日本一の実績」などの表現がこれにあたります。
また患者に対して、他より優れていると誤認を与えるおそれがあるため、「著名人に施術した実績」など、著名人との関係性を強調した表現も禁止されています。

患者が語る体験談や、ビフォーアフター画像も禁止

一方的な宣伝よりも、信憑性が高いということで好まれていた体験談ですが、美容クリニックのホームページでの掲載は禁止されています。施術の内容やその効果が事実であっても、広告とされるホームページで掲載することは禁止されているので、気を付けましょう。体験談はあくまで当事者の主観的な意見であり、読んだ人に誤認を与えるおそれがあるというのが理由です。
また、直接ホームページに体験談を記載するのではなく、いわゆる「口コミサイト」からの引用として転載することも禁止されています。

美容業界のホームページに多く掲載されていた、施術のビフォーアフター画像も規制の対象となっています。症状の改善などを、分かりやすく表現するため掲載されていた画像ですが、その画像が加工・修正したものでなくても、誤解を与えるおそれがあるため掲載が禁止されています。
ただし、必要とされる治療内容、費用、治療時の主なリスクや副作用など、詳細な説明があればビフォーアフター画像の掲載は可能となっています。
その場合でも、複数のビフォーアフター画像を掲載し、まとめて説明するのではなく、一組ずつのビフォーアフター画像にそれぞれ説明が必要です。

美容クリニックの広告範囲とは?


美容クリニックの名称が入っているものは、すべて広告とみなされ規制の対象となります。ホームページを中心に説明してきましたが、従来のチラシ、ポスター、看板、雑誌や新聞の広告、テレビやラジオのCMに加え、インターネット関連ではホームページ、メールマガジン、ブログ、SNSなど、美容クリニックの名称で発信する情報が、すべてが広告扱いになります。

これらの情報発信媒体のうち、印刷物やホームページなどプロが制作するものに関しては、医療広告に詳しい制作会社に依頼したり、さまざまな広告を扱う広告代理店の中から、医業に詳しい代理店に依頼する方法もあります。
しかし、メールマガジンやブログ、TwitterやFacebookといったSNSでは、クリニック内のスタッフに担当させているということもあるでしょう。クリニック内のスタッフが情報発信をする場合であっても、美容クリニックの広告で禁止されている表現を行わないよう、「医療広告ガイドライン」「薬機法」「景表法」に目をとおし、法律を遵守するようにしましょう。
「医療広告ガイドライン」に関しては厚生労働省のPDFに詳しく記載されています(※1)。クリニック内のスタッフミーティングなどの際に、勉強会の資料として活用されることをおすすめします。

(※1)
https://www.mhlw.go.jp/content/000808457.pdf